逆風の大阪万博、開幕まで10カ月…吉村知事を直撃 準備は間に合う?愛知万博から学べることは?
膨らむ会場建設費
さらに── 「今回、2回目の増額、500億円の増額になったこと、府民のみなさん、国民のみなさんにおわびします」(大阪府 吉村洋文知事) 会場建設費も膨らみ、当初は1250億円でしたが、2度に渡って増額。去年11月には、2350億円となりました。 そして、全国的な盛り上がりも課題です。 大阪府と大阪市が去年12月、全国の6000人を対象にアンケートを実施したところ、万博へ「行きたい」「どちらかといえば行きたい」と答えた人は、33.8%で2年連続で減少する結果となりました。
「開幕後の評判の広がりがカギ」
2005年、愛知県で開催された「愛・地球博」には目標を超える2200万人が来場しました。 185日間の期間中、毎日会場に足を運び、皆勤賞を授与されたことで知られる、「万博おばあちゃん」こと山田外美代さん。 愛知でも感じた、万博を盛り上げていく鍵は、開幕後の「変化」だと指摘します。 「商売でも開店して、人が来ないまま続けることはない。変化があるパビリオンに人が来た。それでいいと思う。最初から『万博すごいんだぞ』ではなく『来てもらって評価してください』がいいと思う。“商人”に学んだことを生かしたら、大阪らしいところが出るのではないか」(愛知万博に毎日通った 山田外美代さん) 当時、知事を務めていた神田真秋さんは、成功した理由の1つに「市民参加」を挙げます。 「海外の人と楽しく交流できたことが、結局リピーターにつながった。珍しいものをただ見せるだけでは、わざわざ行く価値があるかということになる。決して入場料は安くないから」(万博開催時の愛知県知事 神田真秋さん) そして、開幕後に評判がどう広がっていくかもカギを握っていると話します。 「お客様は面白いと思ったら必ず行く。どこかでスイッチが入るかどうか。珍しいものがあるということよりも、それを見た人や行った人が『楽しかった』『面白かった』『もう一度行きたい』という声が口から口に伝播することが大きい。SNSだとあっという間に広がる。良い印象がずっと広がっていけば完全にスイッチが入る。火が付く」(神田さん)