「権力に寄生する怪物が生まれ」韓国大統領夫人の疑惑に迫る映画がヒット 6日で観客数4万人越え 弾劾訴追案可決後に話題
疑惑を追ったドキュメンタリー
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案が14日に可決された後、金建希(キム・ゴンヒ)夫人のドキュメンタリー映画『ファーストレディー』が話題だ。 ■さまざまな疑惑を示唆?『ファーストレディー』のポスター【写真】 今年初めに公開されて興行的に成功した李承晩(イ・スンマン)大統領を描いた映画『建国戦争』のように、再び政治ドキュメンタリーが観客を集めるのか注目されている。(釜山日報) 映画振興委員会の「映画館入場券統合電算網」によると、『ファーストレディー』は今月12日に公開され、17日時点の累計観客数は4万2650人に達した。インターネットメディア「ソウルの声」が制作に関わった映画で、「ドイツモーターズ株価操作事件」「ブランドバッグ贈呈事件」「学歴詐称」「論文盗用」など、金建希夫人をめぐるさまざまな疑惑を追ったドキュメンタリーだ。 「ソウルの声」のイ・ミョンス記者、金建希夫人にブランドバッグを渡したとされるチェ・ジェヨン牧師、金建希夫人の家族と10年以上にわたり法廷闘争を繰り広げたチョン・デテク氏、占い師などが登場する。
第2の『建国戦争』となるか
『ファーストレディー』は公開初日に4822人、2日目に5934人の観客を集めた。尹錫悦大統領の弾劾訴追案が可決された翌15日には、1万2540人の観客数を記録し、「想定外のヒット」となった。 この日『ファーストレディー』は、ソン・ガンホ主演の映画『1勝』やソン・スンホン主演の『ヒドゥンフェイス』を抑えて、売り上げ上位になった。 『ファーストレディー』への関心が高まるにつれて、上映館も拡大。公開初日は54館で1日74回の上映だったが、13日は59館で同106回、14日は75館で同162回になった。15日には上映館が100館、上映回数は206回に達した。 動画投稿サイト「ユーチューブ」チャンネル、「コリアフィルム」でみられる映画の予告編の再生回数は約105万回を超え、約1900件のコメントが寄せられている。 尹錫悦大統領の弾劾訴追案可決後も、警察の捜査や憲法裁判所による弾劾審判の手続きなどが進行中であるため、映画への関心はしばらく続くとみられる。 今年2月、李承晩元大統領の『建国戦争』が117万人という観客記録を打ち立てたことから、『ファーストレディー』が第2の『建国戦争』となるか注目されている。 『建国戦争』は保守派の支持があり、公開6日目で累計観客数6万3431人を記録。その後、損益分岐とされる約12万人を大きく超える117万人が鑑賞し、興行的に成功を収めた。 『ファーストレディー』の製作会社「オヌルピクチャーズ」のキム・フンテ代表は、「私たちが無関心であるときに、権力に寄生する怪物が生まれ、平穏な生活を脅かす。政治に無関心な層や中道層、特に20から30代の若者たちに、偏見なく映画を見てほしい」と語っている。(タク・ギョンリュン記者)