【秋ドラマ】「もう号泣ですよ」定時制高校を描く話題のドラマ『宙わたる教室』 原作者・伊与原新が選んだ名場面ベスト5
定時制高校の科学部を舞台にした、窪田正孝主演のドラマ10『宙わたる教室』(NHK総合 火曜22時ほか)。「秋ドラマ」の各種ランキング上位に挙がる実力派の本作には、原作者の伊与原新さんも番組放送後、自らのXに 【写真】この記事の写真を見る(7枚) ヤバくないですか、ドラマ 自画自賛じゃなくて、澤井さんの脚本、役者さんたちの演技、制作陣の皆さんの熱意。素晴らしすぎないですか もう号泣ですよ 窪田正孝さん、目の動きだけであれだけ多彩な表現ができるの、やっぱり天才 あと、小林虎之介さんの岳人のしゃべり方、好っきゃわぁ 『宙わた』半端ないって 面白くてめっちゃ泣かせるもん そんなんできひんやん普通 と投稿するなど、太鼓判を押している。そんな伊与原さんがご自身で選んだ『宙わたる教室』の名場面とは――。
第1話「夜八時の青空教室」
岳人の学業不振の理由がディスレクシアだと判った場面 岳人を演じる小林虎之介さんの迫真の演技からは、子供の頃から文字をうまく読めず、周囲からは馬鹿にされ、努力が足りないと言われて、ずっと苦しみ続けてきた感情が、数倍になって伝わってくるというか、もうびっくりしました。 岳人 「今さらそんなこと言われて……どうしろっつんだよ。……何年無駄にした? 10年? いやもっとだよ! 俺が喜ぶと思った? 前向きになれるとでも思ったかよ?」 ディスレクシアを指摘する理科教師・藤竹役の窪田正孝さんは、実はこの前のシーンで、退学届をうまく書けない岳人のことをじっと冷静に観察しています。そこが科学者らしさにあふれていて、ふたりの緊張感をはらんだ一連のシーン全てが素晴らしいです。
第3話「オポチュニティの轍」
佳純が火星探査車・オポチュニティについて屋上で話す場面 起立性調節障害を抱えて、保健室登校を続けるSF小説好きの1年生・名取佳純を描いた第3話「オポチュニティの轍」は、もともと原作でも人気の高い話です。 ただ原作では、藤竹と佳純がオポチュニティについて話す場面は物理準備室になっていますが、ドラマでは高校の屋上になっています。そのことで火星には今も動かなくなったオポチュニティがいることを想起させられるので、さらにいいと感じました。 佳純 「……寂しいだろうな」 藤竹 「そうですか? 僕はそうは思わないです」 その後、藤竹の説明によって孤独の象徴だと考えていた、壊れた探査車の見方を佳純は変えることになります。ものの見方が考え方によって変わってくる――小説では地の文で書かれていることが、ドラマでもさらに細やかに描かれています。