EV失速で脚光! 「世界PHEV大戦争」が始まった!
クルマに文句はなかったが、週プレはモヤモヤしていた。なぜなら三菱は09年7月に世界初の量産型軽EV、アイミーブを世に送り出したパイオニアだ。三菱の技術力ならばEVを世に送り出す壁は決して高くないはず。 なのに、なぜPHEVなのか? この試乗会で開発陣のひとりにそんな質問をぶつけると、彼は笑顔でこう言った。 「製造、使用、廃棄、再利用までのライフサイクル全体で見ると、PHEVはCO2の排出量が少なく、環境負荷も低い。アウトランダーPHEVは、カーボンニュートラル時代の最適解です」 EVのパイオニアが口にしたこの言葉は2年半が経過した今、きらりと光っている。 ■トヨタとマツダもPHEVを用意 昨年、世界で14万台のPHEVを売ったのがトヨタ。日本市場にはハリアー、RAV4、プリウスにPHEVを設定。また、トヨタの高級ブランドであるレクサスにも2車種を用意。注目は昨年12月19日に発売となった新型クラウンスポーツのPHEV。 WLTCモードで、EVの走行距離は90㎞、ハイブリッド走行を含めた航続距離は1200㎞以上を誇る。 好調マツダもMX-30とCX-60にPHEVを設定している。 品ぞろえが進む日本勢だが、油断はできないようだ。自動車メーカーの関係者が言う。 「実は欧米の販売店からは『EVやハイブリッドよりも、PHEVは使い勝手がいい』という引き合いが多い。PHEV市場は性能や価格面などの競争が過熱し始めており、各社の動きも加速している」 すでに世界PHEV戦争の火ぶたは切られているわけだ。ニッポン勢よ、この動きに乗り遅れるな! 写真提供/メルセデス・ベンツ日本 ランボルギーニ・ジャパン 三菱自動車 トヨタ自動車 マツダ 取材・文/週プレ自動車班 撮影/望月浩彦