EV失速で脚光! 「世界PHEV大戦争」が始まった!
「テスラは値下げを繰り返してもEV販売が振るわず、今年1~3月期の決算は減収減益となり大リストラを敢行。加えてリコール問題も深刻化しています。そんなテスラの頼みの綱が巨大EV市場を持つ中国。 事実、テスラを率いるイーロン・マスクCEOは、4月28日に中国を電撃訪問し、李強首相と会談しました。しかし、中国もEVは頭打ち。販売に勢いがあるのはPHEVで、"EV専売のテスラ"が存在感を示せるかは不透明な状況です」(中国EV関係者) 実はEVシフトを声高に叫んでいた欧州勢もシッカリPHEVを用意している。3月には世界累計販売台数1600万台を誇る独メルセデス・ベンツの新型EクラスがPHEVを引っ提げニッポンに上陸。てっきりメルセデス・ベンツはEV推しと思っていたが......。 「第8世代となった新型Eクラスにはディーゼルターボ+マイルドハイブリッド、ガソリンターボ+マイルドハイブリッド、そしてPHEVをご用意しています。ちなみに昨年12月からCクラスにもPHEVを設定し、お客さまからご好評をいただいております」(販売店関係者) メルセデス以外にも、BMWにステランティスグループ、ポルシェなども日本でPHEVを販売している。 さらにイタリアの高級スーパーカーブランド、ランボルギーニも4月24日にPHEVの高性能SUV、ウルスSEを電撃発表。4LV8ツインターボエンジン+モーターの最高出力は800馬力で、最高速度は新幹線級の時速312キロ。まさに"ランボ流のエコカー"である。 ■EVのパイオニア、三菱が放ったPHEV 対するニッポン勢の筆頭はどれか? 多くの専門家が太鼓判を押したのが三菱自動車のアウトランダーPHEV。同社広報部によると、13年発売の先代モデルからの世界累計販売台数は約36万3000台。 販売主要国はカナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、プエルトリコ、フィリピンなど。国内の販売も好調で、23年度は約500万円台スタートの価格ながら1万1645台(前年比68.3%増)をマーク。 「もちろん、エコカー補助金や減税は販売の追い風のひとつです。しかし、当たり前の話ですが、魅力のあるクルマでなければ目の肥えた日本市場では勝ち抜けません。ちなみにアウトランダーPHEVは、海外ブランド車と比較検討されるお客さまが多いです」(販売店関係者) 現行モデルが発売されたのは21年12月。9年ぶりのフルチェンで2代目となったアウトランダーPHEVの試乗会は同年10月に千葉県にあるサーキットで行なわれた。2t超のワガママボディを持つエコカーのSUVが、磨き抜かれた電動技術と四駆技術によりスポーツカーのごとく爽快に走り、ひらりと曲がる。 しかもEV走行のWLTCモードは87㎞、ハイブリッド走行を含めた航続距離は1000㎞超! 内装も海外ブランド顔負け。