3月8日は国際女性デー 4Kデジタルリマスターで蘇る『ピアノ・レッスン』など‟女性が本当の自分を見つける”名作映画4選
今日3月8日は、女性の権利を守りジェンダー平等の実現を目指すため、1975年に‟ジェンダー平等について考え、アクションする日”として国連により定められた「国際女性デー」。そんな「国際女性デー」にあわせて‟女性が本当の自分を見つける”名作映画4作品をピックアップ。 ■『ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター』 第66回アカデミー賞主演女優賞・助演女優賞・脚本賞受賞、第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞をはじめ、世界中の数々の映画祭を席巻し多くの喝采を浴びた、映画『ピアノ・レッスン』。この度、初公開から30年の時を経た本作が4Kデジタルリマスターとしてスクリーンに蘇る。 19世紀半ば、ニュージーランドの孤島。エイダは父親の決めた相手と結婚するために、娘のフロラと1台のピアノと共にスコットランドからやって来る。「6歳で話すことをやめた」エイダにとって、ピアノは声の代わり。ところが、夫になるスチュアートはピアノを重すぎると海辺に置き去りにし、先住民との通訳を務めるベインズの土地と交換してしまう。エイダに惹かれたベインズは、ピアノ1回のレッスンにつき鍵盤を1つ返すと提案する。渋々受け入れるエイダだったが、レッスンを重ねるうちに彼女も思わぬ感情を抱き始める。 19世紀半ばのニュージーランドの孤島を舞台に、自分らしい生き方と幸せを探すエイダを描く本作は、第46回カンヌ国際映画祭で錚々たる巨匠&奇才の新作が競い合う中、ジェーン・カンピオンが女性監督初のパルム・ドールを受賞。また、カンピオンは、本作と『パワー・オブ・ザ・ドック』(2021)で、それぞれ監督賞にノミネートされ、アカデミー賞史上初「2度の監督賞にノミネートされた女性監督」となった。世界的に注目される女性監督が少なかった時代から現在に至るまで第一線で活躍を続ける彼女は、パイオニア的な存在として後進の女性監督に影響を与え続けている。 2024年3月22日(金)より全国ロードショー。 ■『燃ゆる女の肖像』 18世紀フランスを舞台に、望まぬ結婚を控える貴族の娘と彼女の肖像を描く女性画家の鮮烈な恋を描いたラブストーリー。画家のマリアンヌはブルターニュの貴婦人から娘エロイーズの見合いのための肖像画を依頼され、孤島に建つ屋敷を訪れる。エロイーズは結婚を嫌がっているため、マリアンヌは正体を隠して彼女に近づき密かに肖像画を完成させるが、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを批判されてしまう。描き直すと決めたマリアンヌに、エロイーズは意外にもモデルになると申し出る。やがてキャンパスをはさんで見つめ合い、時間をともにするうちに、激しい恋に落ちていく2人だったが‥‥。 監督を務めたのは、現代の重要な映画監督のひとり、セリーヌ・シアマ。2019年・第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞を受賞した本作は、映画業界で変革が叫ばれるジェンダーギャップ問題にも一石を投じた。冒頭の海辺のシーンは『ピアノ・レッスン』を想起させるが、シアマは自身の「10本の偉大な映画」の1本として『ピアノ・レッスン』を挙げている。 Amazon Prime Video、U-NEXTなどで配信中(日本公開日:2020年12月4日)
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