“ワンイシュー”戦略で元市議が初当選 新アリーナ建設を反対【豊橋市長選】
10日に投開票された、愛知県の豊橋市長選挙。地元プロバスケットボールチームの本拠地にも使う予定のアリーナ建設計画が争点となり、反対を訴えた元市議が初当選しました。 豊橋市長選で初当選した、元市議で新人の長坂尚登氏。 11日の朝、市役所で当選証書が渡されました。 集まった報道陣に対して、口にしたのは―― 「契約書を見ると、契約解除に向け市から相手方に通知をするとなっている。通知を速やかに出して、その後は相手方の反応次第になってくる」(長坂尚登氏) 市長選で大きな争点となったのが、多目的屋内施設、新アリーナなどの建設計画。 市の中心部にある豊橋公園が予定地となっていて、収容人数は5千人以上。 豊橋市によりますと、30年間の維持管理費を含め、約230億円の事業費を見込んでいます。
総合体育館は老朽化が進む
11月6日にあった、地元が拠点のプロバスケットボールチーム「三遠ネオフェニックス」の試合。 現在、B1リーグ中地区で首位を走るチームはこの日も選手が躍動し、満席の会場はヒートアップ。 しかし試合があった総合体育館は、築30年以上が経過し、老朽化が進んでいます。 「雨がひどいと漏れる時があるみたいです。なのできれいになるといい」(豊橋市民)
新アリーナ計画について市民は…
現在の体育館は収容人数が3000人ですが、2年後からは「5000人規模のアリーナの確保」が最上位リーグに参入する条件の1つとなっています。 ネオフェニックスの新たなホームアリーナになる予定の新アリーナ計画について、ファンからは―― 「あそこは低い。川があるから、あまり良くないと思う」(豊橋市民)
状況を把握しないまま、市は整備計画を発表
当初、新アリーナの建設予定地となっていた豊橋公園の朝倉川沿いのエリアは、愛知県が「家屋倒壊等氾濫想定区域」に指定。 想定しうる最大規模の雨が降って洪水が発生した際、家屋が流失、倒壊する恐れがあるとされていました。 「ゼロベースで6、7カ所検討して、災害時の連携もすべて含めて調査した結果を見て、豊橋公園が最適」(豊橋市 浅井由崇市長 2022年12月) 市はその状況を把握しないまま、整備計画を発表したのです。 新たな問題の発覚を受け、浅井市長は去年、同じ公園内で氾濫想定区域から外れた野球場の跡地に新アリーナを建設すると、方針を修正していました。