コメルツ銀、貸倒引当金3倍に-ウニクレディト買収回避に逆風
(ブルームバーグ): ドイツのコメルツ銀行は6日、貸倒引当金を積み増し、来年の融資収入の見通しを若干引き下げた。イタリアの銀行ウニクレディトからの買収攻勢をかわす取り組みを難しくしそうだ。
コメルツ銀が同日発表した7-9月期(第3四半期)決算では、純利益が6億4200万ユーロ(約1060億円)と、アナリスト予想の5億5000万ユーロを上回った。だが、貸倒引当金は前年同期からほぼ3倍に膨れ上がり、好業績や新たな自社株買い戻し計画といった明るい見通しを台無しにした。
コメルツ銀は独立維持で投資家の支持を得ようとしているが、今回の決算はベッティーナ・オルロップ最高経営責任者(CEO)にとって逆風になる。ウニクレディトがコメルツ銀の株式21%を取得し、買収を選択肢の一つと示したことを受け、コメルツ銀は9月、収益性を高めて投資家への還元を増やす方針を示した。
6日午前のフランクフルト株式市場で、コメルツ銀株価は一時4.6%下落した。一方、ウニクレディト株は、6日の決算発表で利益予測を引き上げ、アナリストの予想を上回る業績を発表したことを受け、ミラノ株式市場で一時3.1%上昇。だが、その後下げに転じた。
予想を上回る純利益を受け、コメルツ銀は新たに約4億ユーロ相当の自社株買いを申請した。同行は4日、規制当局の承認を経て、6億ユーロの自社株買いを実施すると発表していた。
原題:Commerzbank Provisions Complicate CEO Orlopp’s UniCredit Defense(抜粋)
--取材協力:Macarena Munoz Montijano、Sonia Sirletti、Anna Edwards.
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Arno Schuetze