まさかの悲劇でV逸 河野祐輝が誤球で『+5』「頭が真っ白に」
<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 最終日◇23日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇7036ヤード・パー72> このショットで2罰打をくらうことに…【写真】 キャディをつけずセルフプレーを続け、ツアー初優勝を目指した36歳の河野祐輝。首位タイで迎えた最終日の15番パー4で“悲劇”が待ち受けていた。 ティショットは右のセミラフへ。残り151ヤードのセカンドショットはフライヤーとなり、グリーン奥のブッシュに入ってしまった。 そこから、念のため暫定球を放ったが、規定の3分以内に無事、自身が契約するブリヂストンのボールを発見。ブッシュの中から3打目を放った。しかし、4打目を打とうとしたときに気づいた。「自分のボールと違う」。さきほど打ったボールは河野のボールではなく、ほかのボールだったのだ。いわゆる『誤球』をしてしまった。 「フォアキャディさんから『ここにありますよ!』と言われたので、確認せずに打ったら違うボールだった。それが分かった瞬間、頭の中が真っ白になっちゃいました」 ゴルフ規則6.3c※にのっとり、誤球による2罰打とアンプレヤブルの処置で1罰打。セカンド地点から打ち直した6打目は、手前のバンカーへ。これを寄せきれずに2パットで『+5』。優勝争いの佳境で9打を要した。 「あそこは悔やみきれないですね。苦い経験であり、いい経験になりました」。優勝争いから脱落し、一気に19位タイまで順位を落とした。 それでも、河野は集中力を切らさなかった。16番をパーでしのぐと、17、18番で連続バーディ。トータル17アンダーでトップ10(9位タイ)に滑り込み、7月の「長嶋茂雄招待 セガサミーカップ」(北海道・ザ・ノースカントリーGC)の出場権を獲得した。今季はファイナルQTランク72位でレギュラーツアーの出場権を持たない河野にとって、大きな収穫となった。 「洋芝が好きだし、自分が成績を出している(2013年に2位)土地でもある。一打一打集中して、いいプレーをすれば結果を出せると思います」。ベテランらしい精神力で次の“職場”を確保した36歳。得意とする北の大地で初Vをつかみにいく。(文・神吉孝昌) ※6.3c 誤球 (1) プレーヤーは誤球に対してストロークを行ってはならない。 ●規則6.3c(1)に違反して誤球をプレーしたことに対する罰 ・プレーヤーは一般の罰(2罰打)を受け、元の球をあるがままにプレーしてプレーを続ける、または規則に基づいて救済を受けることにより誤りを訂正しなければならない。 ・誤球に行ったストロークと、誤りが訂正されるまでのストローク(行ったストロークと単にその球をプレーしたことに対する追加の罰打を含む)はカウントしない。