〈“週休3日制”導入の東京都〉「今やるべきはそれじゃない」と小池都知事に批判の声噴出…“週休4日”を取り入れる猛者社員に聞いた厳しい現実とは
週休4日制導入の猛者社員も「恨みをかいかねない」「結局休日出勤」
働いている社員はどう思っているのか。 今回は、“週休3日”をさらに上回る“週休4日”を導入し、都内企業で正社員として勤務する徳永さん(仮名・女性)に話を聞いてみた。 「会社自体は週休3日制度を導入しているわけではないんですが、面接の段階で、『週3日で働きたいです』と伝えて採用されました。以前週5日で働いて体調を崩したり、月に何度か休んだりしてしまったことがあったので、自分が一番生産性が高く働けるのは週3日勤務だなと思ったので」(徳永さん、以下同) 最初は契約社員の事務として週3日勤務で採用された後、正社員へと切り替わった。 現在は総務や労務などの管理部門を担当している。 週5日勤務の社員と比較し、給料は5分の3、ボーナスもしっかり出るが5分の3だという。 とはいえ、徳永さんだけ週3日勤務だと、ほかの週5日勤務の社員からのやっかみなどはないのだろうか。 「正直、私の週3日勤務が成り立っているのは、週5勤務の社員さんにフォローしてもらってるからこそなので、社内の人への配慮はものすごく意識しています。総務として備品を発注したけど、社内に届く日に私が休みで他の社員に取りに行ってもらったりとかも何度もあるので。 だから、『〇〇してくれて本当にありがとう』って十分すぎるほど感謝を伝えたり、みんなが引き受けたがらない忘年会の幹事を積極的に引き受けたりしてます。配慮をかけると、恨みや妬みをかいかねませんので…」 週3日勤務による弊害は社内だけにとどまらず、社外にも及ぶ。 「社外の人とやり取りする時に、先方は当たり前に私が週5日勤務だと思っているので、私が休みの平日に、先方から連絡がきたりすることもあります。先方には事前に『週3日勤務です』とお伝えするようにしてますが、それでも固定電話にかかってきた場合は、週5日勤務の社員にフォローしてもらっている感じです。 あとは、週3日で業務を円滑に運ばなくてはいけないので、期限にはとてもシビアになります。期限を逆算して、事前準備を入念にして、先方にも次回以降にやることをリスト化して送ったりしています。もちろん自分自身にもしっかり『やることリスト』を作ったりして効率よく作業するように努めてますね」 そうはいっても周りが週5日で行う仕事を週3日で行うのは、大変ではないのだろうか。 「正直、週3日では終わらない時なんかもありますよ。そういう場合は結局、休日出社して業務を片づけたりしてます。私の週3日勤務は、会社やメンバーにも恵まれて、実現できていると思います…」 週休3日を実現させるには、それなりの配慮や効率的な働き方が重要視されるのかもしれない。 取材・文/集英社オンライン編集部
集英社オンライン編集部