もうすぐ「原付バイク」が消える⁉今乗っている原付も乗れなくなりますか?
原付バイクは正式には「原動機付自転車」といい、総排気量が50cc以下のバイクのことを指します。原付バイクは、原動機付自転車免許か普通自動車運転免許を取得すれば乗ることができる二輪車です。燃費の良さから、人々の生活の足として活躍してきました。 しかし、原付バイクは生産終了になる可能性があることをご存じでしょうか。当記事では、原付バイクが生産終了になる理由と、今乗っている原付バイクに引き続き乗れるのかという疑問について解説します。 ▼ハンズフリー通話での運転は「違反」になる? ペナルティが発生する場合についても解説
「原付バイク」は生産終了になる?
冒頭でもご紹介したとおり、原付バイクは生産終了になることになりました。2024年現在、国内で原付バイクを製造しているのは本田技研工業株式会社(HONDA)とスズキ株式会社(SUZUKI)の2社だけです。その2社が原付バイクの生産を終了する方向で検討中であるということが分かりました。 生産終了になる背景には、市場規模の縮小が原因の一つに挙げられます。1958年に本田技研工業株式会社(HONDA)がスーパーカブを販売したことが原付バイクが広く普及したきっかけとなったようです。ピーク時の1982年には年間278万台の原付バイクが出荷されましたが、2023年の生産台数は9万2000台あまりとなり、ピーク時の3%ほどまで生産台数が減少しています。 この市場規模縮小の要因の一つに「排ガス規制」があります。以下で「排ガス規制」について解説します。
生産終了の背景には「排ガス規制」が
原付バイクの市場規模縮小の要因の一つとして考えられるのが「排ガス規制」です。これまでもたびたび排ガス規制が行われてきて、原付バイクはそれに適合できるように改良が進められてきました。 しかし、2020年には2025年11月よりさらに厳しい排ガス規制が行われることが決まりました。新しい排ガス規制に適合する原付バイクを作ることが難しいことと、市場規模が縮小するなかで新たな投資をしても採算が見込めないことを理由に、原付バイクの生産終了を検討中のようです。 ■排ガス規制とは? そもそも排ガス規制とは、エンジンから排出される有害物質の量を規制するルールの総称です。健康被害や大気汚染の減少を目的に、日本では1963年から始まりました。排ガス規制は年々厳しくなっています。 その規制の中でも、バイクの排ガス規制とは、一酸化炭素・炭化水素・窒素酸化物の3種類の排ガスが測定され、車検の際に基準数値内かどうか確認されます。バイクの排ガス規制は、1998年から導入されました。以来、数年おきに規制が強化されています。