【解説】国会議員の海外視察『見えにくい実態』公報を広げて気づいた...衆議院議員は「国会に〇日間登院できませんよ、としか書いていない」事後の報告も義務付けなし
豊田真由子さん「どこで誰と何をしているかの公開が大事」
ーー豊田真由子さんは元国会議員で海外視察も行かれたことがありますがどう思いますか? (豊田真由子さん)「これ分けた方がいいのが、意味のある視察とほとんど意味のない視察が正直あると思います。専門的な活動をしていて、その見識とか経験を生かして、わざわざ現地に行く意味があるかどうか、必要性が大事で、普通の情報はネットや本でも、議員が役所に聞けばいくらでも最新の詳細な情報をもらえるわけですよ。それでは足りないのが何かと言ったら、『議員外交』で海外の国会議員と会ったり、いろんな専門家、日本から支援をしている相手先のところに行って確認するとか、日本の国益にどうやって役立てられるかとか、例えば私は日韓関係が停滞していたときに韓国に議員団で行って、冷え込んだ関係をちょっと元に戻そうとか。何を目的に具体的に誰が何をやってどういう成果が出たのかが大事です」 「私はアメリカに行った時に報告書を作成しています。これは日米議員交流プログラムといって80年ぐらいずっとやられているもので、日米間の議員が与野党ともに行ったんですね。上院・下院の議員と話をしたり、本当にずっと分刻みのスケジュールでした。HPでも公開されています。本当に観光なんて1分間もしてない感じです。どこで誰と何をしているかが一番大事じゃないですか」 ーー山谷さんは旧ツイッター「X」で、アメリカのどこで誰と会いましたという写真を毎日1枚ずつ掲載していました。でもそれは最低限だと思うんですよね。内容まではわからないですが、どこで誰と会ったのかということは公表されていました。 (豊田さん)「ただやっぱり国会議員が行くことで大きく貢献することもいっぱいあるので、全否定は良くないと思っています」
衆議院の公報には行き先すら書いていない「知る由がないことが問題」
――続いて、衆議院ではどのようになっているのでしょうか? (大八木解説委員)「参議院よりもずっとわかりにくい形の公報になっています。議員請暇と言って、国会にこの期間は登院できませんよということなのですが、『議員の名前』、『何日間登院できない』と、延べ34人いるのですが、ほとんどがゴールデンウイーク期間中には海外に行っていると。議員に相当興味ある人はSNSまでたどり着いてこの人たちが何をしたのかはわかるのですが、この状態だけで公になっても全くわからないところに問題があるなと思っています」 ――衆議院では名前と期間しか書いていないのですか? (大八木解説委員)「書いていないですね。国会議員の中で話し合う議会運営委員会というのがあり、そこには渡航の計画書が出されているのですが、一般には非公開なので知る由がないんです。そこが問題だなと思っています」