女芸人・まちゃまちゃ(47)「ブスを武器にするのも自由」容姿いじりの原体験で「コイツ、センスあるなって」
■小学時代に受けた容姿いじりで「コイツ、センスあるな」 ── まちゃまちゃさん自身が、容姿いじりで嫌な経験をしたことはありますか? まちゃまちゃさん:子どもの頃からいろんなものに例えられてきましたし、それでムカついたことももちろんありますよ。でも、私の場合「おもしろく例えてもらえればOK!」というところがあるんですよね。 小学生の頃、公園の池で遊んでいたときに、少し年上の名前も知らないやつが来て、「お前、顔でけえなあ。よし、お前のあだ名は、『幅広』ね!」っていきなり言われたんです。なんかムカつくなあと思いつつ、それ以上に「すげえワードセンスだなあ」とちょっと尊敬しちゃったんですよね。
「幅広」って「ハラビロカマキリ」の見た目に引っかけたんだと思うんですけど、私の顔を見て瞬時に「幅広」と名づける小学生って、ちょっとセンスあるじゃないですか。お笑い好きのサガかもしれないけれど、私個人は、おもしろく例えてもらえれば、傷つかないんですよね。 ── でも、幅広=ハラビロカマキリと、すぐに変換できる小学生のまちゃまちゃさんの発想力と言葉のセンスもすごい気が…。しかも昆虫に詳しい(笑)。 まちゃまちゃさん:自分の顔は、幅広なんだなと自覚したのもそこからでしたね。もちろんどんな言葉や態度に傷つくか、それがどの程度なのかは、人それぞれ違うから一概には言えないけれど、誰かの発言に対して、勝手に自分のことを批判された気になって、過剰に反応しているケースも多い気がして。それだけ傷ついて、つらい経験をした人がたくさんいるのはわかるけれど、「いやいや、この人、その言葉に傷ついていないかもしれないよ?勝手に決めるのはどうだろう?」と思うことも。
理不尽なことに声をあげやすい世の中になったのは、いいことだとは思いますが、何もかも「今、それ言ったね!」と揚げ足をとって、みんなで批判するという流れも、それってどうなんだい?と。もう少しおおらかにとらえて、その器をもっとデカくするのはどうだろう?と思うんですよね。そのほうが、自分たちも楽しく過ごせる気がしますけどね。 私も自分の容姿に自信がなかったからこそ、違う部分で頑張ろうと、自分の好きなバンドメンバーや追っかけ仲間にネタを見せるというトリッキーなことを始めたわけです。自己防衛の意味でも、「自分なりのちょっとしたジョークやユーモアで切り返す」という手段を持っておくのもひとつの手だと思いますよ。