北とぴあでバロック室内楽演奏会 音楽家がそれぞれの原点を探る
古楽アンサンブル「アンサンブル・イル・リトルノ」が「バロックの室内楽諸国の様式をめぐって」と題したコンサートが1月17日、北とぴあ(北区王子1)で開催される。(赤羽経済新聞) 【写真】演奏で使うリコーダー 同アンサンブルは北区在住でリコーダー奏者の中川つよしさんと、ヴィオラ・ダ・ガンバの坪田一子さん、チェンバロの花井哲郎さんのメンバーから成る。 中川さんは北区内を中心に20年以上にわたってリコーダーの指導を行い、北とぴあや滝野川会館、旧古川庭園や区内銭湯などでのコンサートも定期的に開いてきた。 今回共演する花井さんとは20代の頃に「東京バロック研究会」で知り合い、演奏活動を共にしていた。花井さんはその後ヨーロッパに留学、研さんを重ね、帰国後は中世ルネサンス音楽の奏者として、主に合唱指導や指揮者として活躍してきたという。 コロナ禍でコンサートを見合わせてきた中川さんの元に、花井さんから「久しぶりにチェンバロでリコーダーと共演したい」との話があり、そこに坪田さんも加わって今回の開催となった。中川さんと花井さんの共演は40年ぶりとなる。 アンサンブル名の「リトルノ」は「帰ること」「帰還する」という意味があり、さまざまな経歴を経て「音楽家としての初心に返る」「バロックの原点に立ち戻る」「オリジナルに戻る」を目指し、演者それぞれが長年取り組んできたバロック音楽の原点に立ち戻る試みになるという。 プログラムは、古楽界の草分け的な存在であるフランス・ブリュッヘンさんの業績をたどる内容にもなっている。オリジナルの楽譜にこだわりながら、2023年夏ごろから準備を進めてきた。 中川さんは「コロナ禍の影響で単独でのコンサートを見合わせてきたが、今回このグループが立ち上がって開催の運びとなった。バロック音楽の本質を見極めるような演奏をしたい。多くの人に聴いていただき、楽しんでほしい」と話す。 開演は15時と19時。チケットは、大人=4,000円、学生=2,000円。
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