【解説】トランプ氏“暗殺未遂” 「容疑者の素顔」「突き上げた拳」「銃撃後の支持率」
■銃撃直後に拳を突き上げ…今回の選挙を象徴する写真に
鈴江キャスター 「そして2つ目のポイント、『突き上げた拳の意味』。事件直後に撮られたトランプ氏の写真です」 近野解説委員 「抜けるような青空。アメリカのみならず世界中に鮮烈な印象を残したと思います。たなびく大きな星条旗、傷を負いながらも力強く拳を高く掲げたトランプ氏」 森圭介キャスター 「今回の事件は死傷者も出ていますし、本当に民主主義に対する挑戦でもあり、冒瀆(ぼうとく)だと思いますが、この写真で英雄視する気はもちろんないですが、シークレットサービスのみなさん、さらには拳を上げた大統領候補ということで、今回の選挙を象徴する一枚にはなっていますよね」 近野解説委員 「そういうことですよね。よくよく考えてみると、要人警護の常識としては、今回のように一撃を万が一にも受けてしまったときには、警護官がとにかく取り囲んで自分が盾になると。その上で第二波、第三波を絶対に受けないようにというのが警備上の常識です。容疑者は射殺されたとはいえ、この時点ではまだ単独犯行とも断定できない瞬間です。だけれども、今回はトランプ氏本人が取り囲む警護官をかき分けてでも前に出ていく。そして生中継のテレビカメラに見えるように自ら闘う姿勢をアピールした。その様子に会場では大きな歓声とどよめきが上がりましたし、息をのんでテレビを見ていた視聴者にとっても、トランプ氏の『不屈のイメージ』を印象づけた結果になったと思います」 鈴江キャスター 「日本にいる私たちも第一報を聞いたときに、写真を見たときに強烈なインパクトを受けましたし、これが世界中に伝わった一枚となりました」
鈴江キャスター 「もう一枚、近野デスクが注目したい写真があります」 近野解説委員 「覆いかぶさったシークレットサービスの足の間から、地面に伏せているトランプ氏の横顔をとらえた写真です。トランプ氏がしゃがみ込んでから立ち上がるまでの間に、わずかな隙間からとらえられたショットです」 鈴江キャスター 「足の間から写真なんですね」 近野解説委員 「だと考えられます。銃撃されたときの動画を改めて見返してみたところ、しゃがみ込んで伏せてから立ち上がるまでの時間がちょうど1分くらいでした。そして、その後、拳を振りかざすまでが1分14秒くらい。この大混乱の中で、この瞬間のトランプ氏が今説明したような振る舞いをどこまで頭の中でイメージしていたのか、非常に考えさせられる一枚です」