HIS、子会社で不正受給か 雇調金、決算発表を延期
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は25日、同社の連結子会社が雇用調整助成金(雇調金)を不正に受給していた疑いが強いとして、12月13日に予定していた2024年10月期連結決算の発表を延期すると発表した。決算への影響を確認するのに時間がかかるためだと説明している。 連結子会社は「ナンバーワントラベル渋谷」(東京都大田区)。企業が支払う休業手当の一部を国が補填する雇調金を20年4月~23年3月に約1億円受給していた。不正の疑いがあり、東京労働局が今年4月から調査している。HISは調査結果が明らかになり次第、雇調金の返納などの対応を取る方針だという。 HISは外部の専門家に依頼し、グループでほかに同様の不正がなかったかも調べている。 旅行業界では、過去にも新型コロナウイルス禍関連の業務委託費を過大請求したり、雇調金を不正受給したりする問題が相次いで表面化。HISも21年に、今回とは別の子会社2社で観光支援事業「Go To トラベル」の給付金の不正受給があったと認定された。