中日が再び走るために必要なピースは? 浮上する「5番問題」とは
中日は5月21日に行われた巨人戦(東京ドーム)で延長12回を戦い1-1のドローに終わった。 【動画】見たか!中日・田中が山崎からプロ初ホームランを放ったシーン 両軍ともに決め手に欠く中、両軍無得点で迎えた7回に中日は田中幹也にプロ初本塁打が飛び出すなど1点をリード。ただもう1点が奪えなかった。 痛かったのは再三のチャンスをものにできない打線にもあった。6回は一死から上林誠知が三塁打、細川成也が四球を選び、一死一、三塁のチャンスを迎える。しかし、この日5番に入ったダヤン・ビシエドが山崎伊織のツーシームを捉えきれず、巨人のシフトにもハマり、痛恨の併殺打となった。 ここにきてクローズアップされているのは中田翔が故障で離脱となった後の5番打者にもある。 最近の試合では打撃好調な細川が4番、その後を打つ5番に中田が座っていた。中軸に勝負強いバッターが2人いたことで打線にも厚みが増していたが、その中田は15日の阪神戦のプレーで左足首に自打球を当て途中交代、16日に抹消となった。 そして16日から2試合で5番を務めたのは、若手の石川昂弥。しかし、2試合ノーヒットに終わり、代わって18日からの2試合は5番を板山祐太郎に託したが、存在感を示せず。 21日の巨人戦ではいよいよ、かつて4番も務めたビシエドが「5番・一塁」として先発、活躍が期待された。 しかしそのビシエドも6回の併殺含め、この試合では4打数ノーヒット、巨人バッテリーの内角攻めにも苦しみ、得点に結びつく働きは示せなかった。 この試合では4番の細川が3四球と最近は勝負してもらえない場面も目立ってきたとあって、より、4番の後を打つ打者の重要性が増している。 中田が負傷交代した日からチームは6試合で4連敗を含む、1勝1分け4敗となかなか勝ち星を取り切れない。右太もも裏の痛みを抱える主砲も一日も早い復帰を目指し調整を進めているが、いずれにせよ”中田頼み”の側面を打破するためにも、細川以外にも勝負強さを示すバッターに現れてもらいたいところではある。 絶対守護神のライデル・マルティネス、また豊富な救援陣、安定した先発陣を生かすためには、効果的に得点を重ねる必要がありそうだ。 4月に単独首位に立ったときには1、2番打者が塁に出て、中軸が返すという理想的な戦いができていた。シーズンが進むにつれ、様々なほころびは出てくるが、そこをどう埋めていくかも指揮官の腕の見せどころとなる。 いよいよ来週から交流戦もスタート、現在リーグ5位の中日にとってはここで盛り返したいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]