”普段は見えない”部品や技術がくるま社会を大きく変えるかも!? 「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」ブース紹介 村田製作所/NOK 編
あなたの疲れとストレスが偏差値で可視化される!?「疲労ストレス計」
また村田製作所のブースでは、「疲労ストレス計 MF100」の展示もおこなれていました。 本製品は心拍と脈拍を計測し、その算出数値からビッグデータの分析を通じて自律神経のバランスと偏差値を示し、客観的な評価や数値化が難しい「疲労・ストレス度」を可視化する製品です。
会場ブースでは、実際に記者自身の状態を測定する体験ができました。 製品自体は少しコンパクトなドライヤーのような形で、これを正しい指の位置で両手で握りリラックスした状態で計測を開始します。しばらくすると、無線接続されたスマートフォンに測定データや情報が入り、実際に現在の自身の疲労ストレス度合いを確認することができます。 実際に計測してみると、自律神経機能偏差値は高めに、自律神経のバランスは交感神経に、という数値が算出されました。担当者いわく疲労の総合判定と照らし合わせ、「今、お仕事モードになっていますね」とのことで、まさに取材時の状況が表示されました。 村田製作所のブース担当者は、今後も継続してこのような技術的ソリューションの提案をおこない、展示会などを通じて自動車を中心とした各メーカーとの交流を図りながら、実際にこれらを活用してどのような価値提供の可能性があるかについて議論する場にしていきたいと話してくれました。
自ら潤滑するゴム!? ENEOSと共同開発の新素材に注目
NOKは日本発のオイルシールメーカーで、自動車をはじめとした産業機器に使われる密封装置(オイルシール、パッキン、Oリングなど)を製造している会社です。 NOKグループの理念として「Essential Core Manufacturing - 社会に不可欠な中心領域を担うモノづくり」をスローガンとして、今回の人テク2024の会場では「New Innovation Technology」をテーマにさまざまな展示をおこなっていました。
なかでも注目されていたのは、今回の展示会で初公開されたENEOSとの新規開発品である「自己潤滑ゴム」です。 この「自己潤滑ゴム」は、シールとしての密封機能を維持しながら、素材の配合に工夫が施されており、分子スケールで界面を制御することで、従来製品と比較して摩擦が平均30~40%低減された新しいゴム素材が使用されています。 この新素材を用いたシール製品は、潤滑状態を維持するには厳しい環境下においても油膜が保持されやすくなる特性をもつことで、発熱が低く、また劣化しづらい性質となっているとのことで、製品の長寿命化が期待されるといいます。展示ブースでは、従来のゴムと自己潤滑ゴムでどのような違いがあるかを、実際に人の手でプレートを上下しゅう動させて体感できるような展示方法を行っていました。 実際に試してみたところ、従来のゴムでは例えるならプレートがカチッと固定されているような状態となっており、上下に動かすには手に力をいれてしっかりと握る必要があります。一方で自己潤滑ゴムは、動き出しから明らかに軽い力でスッと上下に動かせる印象となっており、例えるなら「握る」のではなく指の力だけでプレート上を動かせるようになっていました。体感上はまさに半分くらいの力加減といった形で、摩擦力の低減度合いとも印象が合致するものでした。 NOKは現在、この新素材に関する特許を出願中とのこと。将来的にはEVに搭載されるモーターやeアクスルなどの電動化に採用されることで、電費や航続距離の向上に貢献が期待できるとしています。 ※ ※ ※ さまざまな最新技術や製品が紹介された「人とくるまのテクノロジー展」ですが、次回は愛知県での開催が予定されています。「人とくるまのテクノロジー展 NAGOYA」の会期は2024年7月17日から7月19日までの3日間で、場所は愛知県常滑市のAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)です。
くるまのニュース編集部