「幸福になる恋愛のゴールは?」岡村靖幸が某アーティストの言葉から考えた、恋愛において絶対に譲れない条件
生クリームたっぷりのパンケーキを手作り
――では続きまして。「岡村さんは、相手に何かをしてあげることと、相手から何かをしてもらうこと、どちらに幸せを感じますか」。 岡村 どちらも幸せを感じます。僕は結構、誰かに何かをしてあげる方だとは思いますけれど。 ――さきほど、土井先生の話の中で言いましたが、岡村さん、コロナのときに生クリームたっぷりのパンケーキをせっせと作ってたじゃないですか。「これ自分で食べるんですか?」って聞いたら、いつもご一緒されているスタッフやミュージシャンの方たちが食べさせられていたという(笑)。 岡村 僕、『dancyu』を愛読してるんですけど、誌面に載ってるレシピを見ながらよく作るんです。ほんと、コロナのときはずっと作ってました。 ――そして、これも結構多かった質問です。「岡村さんの子供の頃の幸せな記憶ってどんなものですか?」。これは例えば、夕飯のカレーの匂いの記憶、とかそういうことですけれども。 岡村 炬燵に入ってドリフターズを観たり、 その炬燵の上にはみかんがあったり、そこで家族みんなで食事をしたり。そういうささやかなことでしょうね。あと、家族旅行したときも楽しかったでしょうね。
幸せのために手放したもの
――では次。「執着や期待を手放せば幸せになれると聞きますが、岡村ちゃんが幸せのために手放したものはありますか?」 岡村 煩悩だらけになってしまうと生きるのに四苦八苦してしまうわけで、そういうものをすべて捨て去ることが平穏で幸せな人生につながる、というのは仏教の教えだったような気がするんですが。幸せのために手放したもの……難しいなあ。なんだろうなあ。自分じゃわからないんですが、なんかあるでしょうね、きっと。 ――以前、岡村さんは「若い頃は結構虚栄心があったけど、いまはもうなくなった」とおっしゃっていましたよね。 岡村 虚栄心、ないような気がするなー、いまは。そうですね、虚栄心を捨てたのかもしれませんよね。若い頃はありました。 ――裸に革ジャンの頃ですか(笑)。 岡村 だったかもしれません。いい車に乗りたいとか、ブランドものの服を着たいとか、世田谷区全体ぐらいの広さの家に住みたいとか(笑)。でも、それも結局、共有できたり自慢できないと侘しいだけじゃない。世田谷区全体に住もうが、ブランドものを着ようが、素晴らしい車に乗ってようが虚しいだけ。だからそういった虚栄心は、だんだんだんだん削ぎ落とされたような感覚はありますけどね。