海外メディアはイングランド銀メダル拒否事件を一斉報道。批判的声伝える「不愉快な敗者」「敬意に欠く行為」
ニュージーランドのニュースサイト「スタッフ」も、「イングランドのシンクラーとイトジェがメダルを冷たく扱う」との見出しを取り「イングランドの2選手は、W杯決勝で南アフリカに敗れ2位に終わったことを祝う気分にはならなかった」と伝えた。 記事は、「ロックのスター選手、イトジェにとってイングランド代表としてキャリア最悪の1つとなる試合となり、大柄なプロップのシンクラーは、そのイトジェの肘が頭にぶつかったことで試合開始わずか2分に退場し、記憶から消したいような夕刻を過ごした」と、2人がメダルを拒否するに至った理由を説明。 「2人はワールドラグビーのボーモント会長から準優勝のメダルを贈られたときに落胆の様子を見せた。ラシー・エラスムス・ヘッドコーチに率いられた素晴らしいスプリングボクスのチームに破壊的に敗れた敗戦を噛みしめる間、銀メダルを首にかけることを拒否した」と紹介し、SNSのユーザーからは「敬意に欠いている」、「無作法だ」といった批判の声が次々とあがったことを伝えた。 だが、一方でイングランド選手の行為に同情的な声も伝えた。 「オンライン上では彼らの行為に対して多くの批判が上がる中で、ウェールズのラグビージャーナリスト、サイモン・トーマス氏は、ツイッターで彼らの態度を擁護した」とし、そのトーマス氏の「(この行為は)どれだけイングランドが落ち込んでいるかを物語っている。彼らはさらに上のものを望んでいたのだ」というコメントを掲載した。 記事は、最後に「イングランドのジョーンズ・ヘッドコーチもスプリングボクスが表彰台に上がりエリス杯で祝う前にメダルを外した」とし、ジョーンズ・ヘッドコーチの“今後”についても触れている。 「オーストラリア人(のジョーンズ)は決勝での敗戦に落胆した。彼が2021年まで契約が残るイングランドを今後も引き続き率いるかどうかは定かでない。(オーストラリア代表ヘッドコーチの)マイケル・チェイカが退任することを受け、ジョーンズが母国のオーストラリアの指導者に復帰する話が取りざたされている。イングランドは今大会の準々決勝でオーストラリアを(40-16で)破った。59歳(のジョーンズ)は、以前に2001年から2005年までワラビーズ(オーストラリア代表の愛称)を率いて2003年のラグビーW杯の決勝へ導いている」とし、ジョーンズ・ヘッドコーチのオーストラリア復帰説をほのめかした。 ノーサイド精神がラグビーの美徳のひとつ。それをラグビー発祥の地の選手たちが踏みにじったのは、なんとも残念な行為。大きな波紋を起こすことになり、母国だけでなく海外メディアが、これらの行為に注視し批判的に報じるのも当然なのかもしれない。