豊昇龍（左）を押し出しで破り、幕内優勝を決める大の里（撮影・河田真司）

＜大相撲秋場所＞◇14日目◇21日◇東京・両国国技館 　関脇大の里（24＝二所ノ関）が連日の大関撃破で、確実視される大関昇進に花を添える2度目の優勝を決めた。 【写真】幕内優勝を決め、笑顔を見せる大の里 　後続に2差をつける1敗で単独トップを走る大の里は、結びの一番で大関豊昇龍（25＝立浪）と対戦。もろ手突きから一気に走り、土俵下に大関を押し出した。この日は、4人いた3敗力士のうち3人が勝っていたため、この日の優勝決定には自力で勝つことが求められていた。その重圧にも負けずに、大関昇進の目安となる「三役で直近3場所通算33勝」も1つ上乗せして34勝とした。 　大の里を、星の差2つの3敗で追っていた4人は、直接対決で関脇霧島（28＝音羽山）が高安（34＝田子ノ浦）を突き落としで破り11勝目。若隆景（29＝荒汐）は小結大栄翔（30＝追手風）を寄り倒して、錦木（34＝伊勢ノ海）も王鵬（24＝大嶽）を寄り倒して、この3人が11勝目を挙げた。 　その他の役力士は、大関琴桜（26＝佐渡ケ嶽）が関脇阿炎（30＝錣山）を押し出して連敗は3でストップ。ようやく勝ち越しを決めた。大関昇進への足場固めの場所にしたかった小結平戸海（24＝境川）は、正代（32＝時津風）に敗れ今年初となる1年ぶりの負け越しが決まった。 　その平戸海に勝った正代は2場所連続の、同じく平幕の若元春（30＝荒汐）は今年初場所以来4場所ぶりの、それぞれ2ケタ10勝目を挙げた。 　残り2日を連勝すれば2ケタ勝利となる遠藤（33＝追手風）は、3日目から11連敗中の輝（30＝高田川）に押し出され6敗目。2場所連続2ケタ勝利はならなかった。また先場所、最終盤まで優勝争いに加わった美ノ海（31＝木瀬）は佐田の海（37＝境川）を万全の体勢から寄り切って9勝目。今場所は自己最高位の西前頭7枚目に番付を上げての土俵だったが、千秋楽の星次第で来場所は、上位総当たりの番付に上がる可能性もでてきた。 　苦しい土俵が続いている新入幕コンビは、東前頭16枚目の白熊（25＝二所ノ関）が前日から休場。一方、やはり既に負け越しが決まっている西前頭14枚目の阿武剋（24＝阿武松）は、一山本（30＝放駒）を寄り切りで破り6勝目。幕内残留に望みをつなげた。