【京都】行列がすごすぎて予約制になったお店も。絶品ドーナツ〈Kew〉〈RONMADOR〉
中心部からちょっと離れた街角など、「こんなところに?」という場所で、小さくて店主の個性が発揮されたお店と出会えるのも京都らしさ。“小商い”ならではの魅力あふれるドーナツとは?
Kew
運ばれてきた姿にまずうっとり。手にすればずっしりの重さに期待が膨らむ。頬張ればとろとろのカスタードクリームと、レモンゼストが入った軽やかな生地、そして砂糖のシャリッとした食感が渾然一体となって、口の中が満たされる。食べ終わるのが惜しいと思わずにいられない。
そんなドーナツの作り手は大木健太さん。ロンドンで暮らしていた当時、モダンブリティッシュレストラン〈St.JOHN〉の門を叩き、縁あってペストリーでのキャリアをスタートさせた。カリスマパン職人、ジャスティン・ジェラトリーの下で修業を重ね、帰国後に満を持して店を構えたのが2019年のこと。主役は〈St.JOHN〉仕込みのドーナツとチーズケーキだ。とはいえ日本では手に入らない原料も多く、京都はロンドンより湿度も高い。数々の改良が加えられ、開店して4年以上が経った現在もブラッシュアップし続けている。「理想とする生地は、とても素敵なホテルの枕」と大木さん。両面を揚げて、サイドは白いまま残すことでドーナツにひだができ、クリームをたっぷり絞れるなど、工夫もそこかしこに詰まっている。
共に店を営むのは妻の真奈美さん。立ち上げ時だけのサポートのつもりが、開店して間もなく行列必至の人気店になり、予約制となった現在も二人三脚。お客はもちろん、働くスタッフたちの笑顔が大木夫妻の作りだす居心地のよさを物語っている。
Kew
住所:京都府京都市右京区龍安寺五反田町15 TEL:075-406-0763 営業時間:11:00~16:45入店の予約制 定休日:月火金休ほか不定休 席数:12席 2019年3月オープン。予約はHPから。タルトなど焼菓子の購入のみは予約不要。
RONMADOR
フレンチとスパニッシュの気取らないレストランとして愛された〈バルマーネ〉の奥田匡章シェフが、新たな展開の主役にしたのはドーナツ。とはいえ作られるドーナツは料理そのもの。