巨人がFA甲斐拓也と契約合意 阿部監督の熱意実った「私のつけていた背番号10番を継承してほしい」
巨人は17日、ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)権を行使した甲斐拓也捕手(32)と契約合意したと発表した。宣言残留を認めていたソフトバンクとの争奪戦の末、4年以上で総額10億円規模の大型契約を結んだとみられる。背番号は、阿部慎之助監督(45)が現役時代につけていた「10」に決定。2020年オフ以来となるFA補強に、吉村禎章編成本部長(61)は「扇の要として期待している」と語った。 球界屈指の名捕手が、伝統のユニホームに袖を通す。今オフのFA市場の目玉だった甲斐が巨人への移籍を決断。リーグ連覇に向けた補強に成功した吉村編成本部長は、東京都内の球団事務所で取材に応じ、声を弾ませながら獲得の経緯などを明かした。 「阿部監督と、連覇と日本一に向けて話し合いをした中で、甲斐君を高く評価していた。こういう形で縁をいただいたので喜んでいる」 この日、甲斐の代理人を通じて巨人に移籍する意思を伝えられたという。同本部長は「投手陣を引っ張ってもらう。扇の要として期待している」と語った。 強肩と高い守備力で4年ぶりのパ・リーグ制覇に貢献した甲斐は、4年契約で残留を求められていたが、約1カ月以上の熟考の末、移籍を決断。新天地を選んだ32歳は「新たな経験をすることで野球選手としての自分をもっと高めたいという心境に至った」などとソフトバンクを通じてコメントした。 巨人での背番号は10に決定。指揮官とともに交渉の席についた同本部長は「(阿部監督が)『私のつけていた背番号10番を継承してほしい』ということも強く言われていた」と説明した。チームには大城卓や小林、岸田ら経験豊富な捕手陣がそろうが、強打の捕手として黄金時代を支えた自身の経験から「絶対的な司令塔がほしい」との思いが実った。 16日に、中日を自由契約となっていた抑えのマルティネスとの契約合意を発表したばかり。連日の大型補強に同本部長は「連覇はそんな簡単ではない。とにかく一番いい形で戦えるようにフロントが協力する」と胸を張った。 4度の日本一を経験している実績十分の司令塔が加わり、リーグ連覇、2012年以来、13年ぶりの日本一奪還に向けて盤石の布陣が整った。