【紀州のドン・ファン殺害事件】「私は無罪」元妻が主張 『遺産目当てと言われた女たち5選』『老人 完全犯罪』検索履歴が明らかに 「犯人である証拠を残さない完全犯罪」と検察側 「疑問が残る場合は無罪」と弁護側
■「完全犯罪により莫大な遺産を得るため致死量の覚醒剤を摂取させて殺害した」と主張した検察側
一方の検察側の冒頭陳述。 直接的な証拠が乏しい中、検察側は次々と新たな事実として状況証拠を示し、「犯人である証拠を残さない完全犯罪。資産家である野崎さんと財産目当てで結婚し、完全犯罪により莫大な遺産を得るため致死量の覚醒剤を摂取させて殺害した」と主張した。
■結婚前に「遺産目当てと言われた女たち5選」なるYouTube動画を視聴と検察側
【検察側 冒頭陳述の内容】 結婚の前月に、「遺産目当てと言われた女たち5選」なるYouTube動画を視聴していたという須藤被告。 事件の3カ月前、2018年2月に、野崎さんから毎月100万円をもらう約束を交わし結婚した。
■結婚後 すぐに「離婚届」を作成した野崎さん 被告は「覚醒剤」を入手と検察側
しかし、翌3月に野崎さんは「離婚届」を作成した。 この頃から、須藤被告は「薬物」「老人 死亡」「老人 完全犯罪」などと検索するようになる。 さらに、4月には「覚醒剤 過剰摂取」「覚醒剤 死亡」と検索。 『覚醒剤密売サイト』を通じて、少なくとも3グラム以上=致死量の3倍以上の覚醒剤と思われるものを入手したというのだ。 そして、覚醒剤入手後は「妻に全財産を残したい場合の遺言書の文例」なるサイトを閲覧。「遺産相続専門家」「相続税 海外口座」などといったワードも検索していた。 そして、5月24日、野崎さんは自宅で死亡した。 死因は「急性覚醒剤中毒」。
■「須藤被告は野崎さんを殺害して遺産を手に入れる」という動機があったと検察側
検察側は、防犯カメラの映像などから野崎さんが覚醒剤を摂取した時間帯に、自宅には野崎さんと須藤被告の2人しかいなかったとしている。 野崎さんの死後、須藤被告は「遺産相続どのくらいかかる」「昔の携帯 通話履歴 警察」などと検索していたという。 そして、事件の翌年2019年には「殺人罪 時効」とも検索していた。 こうした状況証拠などから、検察側は「須藤被告は野崎さんを殺害して遺産を手に入れる」という動機があった」と指摘している。 須藤被告は、法廷で静かにこうした検察側の主張を聞いていた。
■「刑事裁判では疑問が残る場合は無罪にしなければならない」と弁護側
一方、弁護側は冒頭陳述で「そもそも、殺すのに覚醒剤を選ぶのか。覚醒剤を大量に飲ませて完全犯罪にすると思いつくか」「野﨑さんが自分の意思で飲んだことは完全に否定できるか」と指摘。 裁判員に向かって「刑事裁判では疑問が残る場合は無罪にしなければなりません。須藤さんが野崎さんを殺すつもりで覚醒剤を飲ませたのか、そのことが間違いないと言えるのか。 『言い切れないんじゃないかな』。そんな疑問が残るなら、須藤さんに無罪を言い渡さないといけない」と訴えた。 本当に野崎さんを殺害したのは、須藤被告なのか。 覚醒剤を飲ませた「何らかの方法」とはいったいどのようなものなのか。 長期間にわたる裁判の中で裁判員は難しい判断を迫られることになる。 (関西テレビ記者 藤田裕介、菊谷雅美、髙橋惟、樋口諒)
関西テレビ
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