角田裕毅の総合力が試される最もタイヤに厳しいサーキット スペインGP攻略のカギは「左タイヤ」のマネージメント
【アップグレード投入の効果はいかに?】 しかし、今年のマシンVCARB 01は大きく進化した。今季はここまで、どんな特性のサーキットでもトップ10圏内に入る好パフォーマンスを発揮している。 これは空力効率の向上によって、コーナーもストレートも、ともに速さを発揮できるマシンになったからだと角田は説明する。 「去年のクルマはかなりドラッギーでストレートが遅かったですし、ダウンフォースも十分ではなかったので、他車よりも大きなウイングをつける必要がありました。だから余計にドラッグが増えて、ストレートが遅かったんです。 でも、今年は去年と比べてまったく別のクルマですし、フロアからダウンフォースを得られているので、最適なダウンフォースレベルにしてもドラッグの問題はありません。ライバルと比べても同じような最高速を得ることができていますし、そこが雲泥の差かなと思います」 そして今回、RBは大きなアップグレードの投入を予定している。 一部ではマシンの外観が目に見えて変わるほどのアップグレードだと言われているが、シミュレーターでそのフィーリングを確認した角田は、期待値を上げすぎないよう慎重に言葉を選びながらも、ポジションアップに寄せる期待をにじませた。 「走る前にあまり期待を大きくしすぎたくないので、小さいとか大きいとか言いたくありません。風洞と実走の違いもあるので実際に走ってみないと何とも言えませんけど、シミュレーターで走ったかぎりではマシンのキャラクターが変わるようなものではなくて、全体的にダウンフォースが増えていて、間違いなくラップタイムに表われるはずなので、予選の結果でわかるんじゃないかと思います。 いつもぐらいのところにいるのか、いつもより上なのか。でも、アップグレードとしては悪くないものだと思いますし、何か違いを感じさせてくれるくらいのものだと思います」 とはいえ、ここ数戦では苦戦が続いていたアストンマーティンも特殊なサーキットで性能を引き出しきれなかっただけであり、典型的なグランプリサーキットであるバルセロナでは元のポジションまで盛り返してくるだろう、というのが角田の予想だ。