ひとつずつ、階段を上っていくのみ。それを選手に期待するし、オレは、必ず勝てるような作戦、戦略を立てていくだけ【岡田彰布のそらそうよ】
敵は内側にあった
マジックが出ても何も戦い方に変わりはない。普通に戦うのみよ
8月に入り10連勝を飾るなど、チームが再度上昇気流に乗った。そして8月16日にマジック「29」が点灯。ここからどういう采配をしていくのか? 「アレ」に対する苦い思い出を教訓に、今後をどう展開していくのか……。 写真=BBM 阪神ファンの皆さん、野球ファンの皆さん。久しぶりです。阪神タイガース監督の岡田彰布です。1カ月ぶり……というか、ホンマ、時間がたつのが早い。いまは8月の終わり。ここまではアッという間でした。 さてさてシーズンも100試合をすでに消化。いよいよ勝負の9月を迎えます。ここまでを振り返ると、いろいろありました。それでも波を小さくして、何とかいまの位置を確保できています。これを想定内と考えるのかどうか。まあぜい沢を言えばキリがない。正直、いい感じできている……というのが本音です。 さて今月の「そらそうよ」ですが、何を語ればいいのか。オレなりに考えたのですが、読者の皆さんや、ファンの皆さんが聞きたいことに答えるというパターンがいいのかな。そこで担当のS君に読者からの声を集めてもらいました。 その結果、最も多かったのは、やっぱりこれ。「アレ」は大丈夫ですよね、でした。 ◎ 「アレ」ねえ。これを書いている時点でマジックが出ています。これが出た翌日の関西のスポーツ新聞は大々的に取り上げていたけど、正直、オレ自身、気負いや力みはない。というのもマジックナンバーはホンマ、“マジック”ということが、よく分かっているからです。 灯(とも)ったり、消えたりするのがプロ野球におけるマジックナンバー。そういうことは過去、何度も経験している。経験が浅いときは、そのたびに一喜一憂していたが、いまは違う。いかに平静を保ち、いかに自分たちの野球ができるか。そこにすべてがかかっている。 オレ自身、頭の中にはっきりと刻まれているのが・・・
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週刊ベースボール