松山英樹のマスターズ 12年間の足跡<前編/2011-2017>
2015年/自己ベストフィニッシュ5位も「悔しい」
「71」「70」「70」「66」=「277」 通算11アンダー5位 14年6月の「メモリアルオープン」で米ツアー初優勝を飾り、注目度が増す中で迎えた15年大会。12位で決勝に進み、3日目は連日の「70」で10位に浮上した。首位とは11打差の状況で、最終日は1イーグル、4バーディ「66」の猛チャージ。海外メジャー自身初のトップ5入りを果たしたほか、通算11アンダーは伊澤利光と片山晋呉が保持していたマスターズでの日本勢ベストスコアを1打更新した。 前年予選落ちの雪辱を果たしたかにも思えたが、「やっぱり優勝を目指してきているので、悔しい気持ちがある」と言葉に。かねて抱いてきたグリーンジャケットへの思いを、さらに強める上位フィニッシュとなった。
2016年/「自分にあきれた」 2打差を追った最終日に失速
「71」「72」「72」「73」=「288」 通算イーブンパー7位 16年2月「WMフェニックスオープン」でリッキー・ファウラーと死闘を演じ、2年ぶりのツアー2勝目を挙げた勢いのまま乗り込んだオーガスタで優勝に近づいた。 2日目を終えて首位に3打差の5位で週末へ。日本人選手が首位と3打差以内で決勝ラウンドに進むのは、01年の伊澤利光(最終的に4位タイ)以来だった。さらに3日目を「72」で回り2打差の3位に迫る。3日間オーバーパーなしは松山のみという安定感が光った。しかし、最終日は前半からスコアを落とし、折り返し時点で首位と8打差。4バーディ、3ボギー1ダブルボギーの「73」で終えたプレー内容に「自分に若干、あきれていました」と吐き捨てた。
2017年/好調で迎えるも「期待に応えられず、すみません」
「76」「70」「74」「67」=「287」 通算1アンダー11位 16年秋から国内外で破竹の勢いで勝利を重ね、翌17年2月「WMフェニックスオープン」でシーズン2勝目。世界ランキングは4位まで上がり、2年連続トップ10入りのマスターズ制覇への期待も膨らんだが、波のある4日間で優勝争いから遠のいた。 初日「76」で54位タイと出遅れながら、2日目「70」で16位に浮上。3日目は最終18番で4パットのダブルボギーを喫するなど「74」で28位に後退し、首位と10打差の展開に「しっかり良いプレーをして終わりたい」とトーンを弱めた。最終日は7バーディ、2ボギーの「67」と意地を見せて11位で終えたが、「期待されていたとしたら…応えられずに、すみませんという感じです」と悔しさを胸に刻んだ。