兼六園周辺にイノシシ 金沢中心部、早朝の目撃続々
●けが人なし、市が警戒呼び掛け 12日午前8時半ごろ、金沢市の兼六園周辺で、イノシシの目撃情報が相次いだ。石川橋下のお堀通りを横切った後、兼六園桂坂口付近から市道を走って石引方面へ抜けた。けが人や施設などの被害は確認されてない。市中心部では8日にもイノシシが目撃されており、市は今後も出没の恐れがあるとして防災無線などで警戒を呼び掛けている。 【写真】イノシシが目撃された兼六園桂坂口周辺をパトロールする警察官 金沢市農業水産振興課によると、市には3件の目撃情報が寄せられた。体長約1メートルの成獣とみられる。午前8時29分ごろ、兼六園下バス停付近にいた女性から「イノシシが白鳥路付近から兼六園方向へ車道を横切り、紺屋坂へと走って行った」と通報があった。 その後、同31分ごろに兼六園上坂口付近の市道を石引方面に走る姿、同37分ごろに金沢医療センター前の車道を走る姿が目撃された。 午前8時半ごろ、石川橋付近の兼六園観光案内所前で目撃したという同所スタッフの伊藤真弓さん(70)は「大型犬くらいの大きさで、ジョギングみたいな感じで走っていた。幸い観光客もほとんどおらず、兼六園にも入って行かなくてよかった」と胸をなで下ろした。 友人と観光に訪れた岡山県倉敷市の会社員中根みなみさん(21)は「観光の定番スポットで出るなんて想像もしていなかった」と驚いた様子で話した。 ●通常通り開園 イノシシの出没を受け、市は防災メールと防災無線で注意を呼び掛け、職員と警察官が目撃現場付近をパトロールした。金沢城・兼六園管理事務所によると、兼六園内では出没の痕跡は確認されず、通常通り開園した。 市中心部では8日、金沢市本町1丁目の県道でイノシシ1頭が車と接触するなど目撃が相次いだ。市の担当者は「イノシシに遭遇した際は、刺激しないよう慌てず、ゆっくりとその場を離れてほしい」と呼び掛けた。