【箱根駅伝】「台本があったら楽なのにな」10位でシード死守の帝京大・中野監督が教え子の俳優からのメールに返信
◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ) 総合成績一覧 上位10校に与えられるシード権は最終10区まで大混戦だった。 * * * 混戦を抜け出して、帝京大が総合10位でシードを死守した。同11位の順大とは、わずか7秒差。10区の小林咲冴(1年)の姿を頼もしそうに見つめた中野孝行監督(61)は「彼ら(争った4チーム)は最高のレースをした。4人を称賛したい」とたたえた。 往路を14位で終え、「早いうちにつかまえて、9、10区あたりで勝負したい」と描いていた指揮官もしびれる展開だった。「誰が見ても、あんな場面なかなか経験できない」。し烈なレースが繰り広げられる中、教え子で俳優の和田正人からメールが届いた。「『盛り上げてますね』って。冗談じゃねえよ(笑)。『シナリオとか台本があったら楽なのにな』って終わってから返したんだけど」と明かしつつ、「ないからスポーツっていいんだなって。これって二度とない瞬間だから」としみじみ語った。 駅伝の魅力を再確認した指揮官は、引退する4年生に向けて「本当に良いところも悪いところも経験した年代。社会に出た時に役立たせてくれるかな」とエールを送った。(臼井 恭香)
報知新聞社