在欧中国企業、5年連続で事業環境悪化 世界的緊張などで=調査
Philip Blenkinsop [ブリュッセル 9日 ロイター] - 欧州連合(EU)に進出している中国企業は地政学的緊張の高まりと反中国感情が事業を妨げてビジネス環境が5年連続で悪化したと感じていることが、9日に公表された調査で分かった。 調査は欧盟中国商会の委託で、コンサルティング会社ローランド・バーガーが中国企業約200社に実施。その結果、EUのビジネス環境に対する全体的な評価は5年連続で低下し、68%が過去1年間で悪化したと考え、半数以上がEU市場はもはや公正で開放的ではないと回答した。 具体的な環境悪化要因としては、公募入札参加に対する障壁、補助金資格取得の確率低下、投資審査が他国企業より長いことが挙がった。 今年の対EU投資が2023年を上回るとの回答は約43%で、1年前の80%超から大幅に減少した。 主な投資促進要因は、ブランドの世界的な認知度を高める機会、需要が旺盛な大規模市場へのアクセス、デジタル・グリーン分野での新たな機会など。最大の課題としては、貿易障壁の増大、人件費の上昇、地政学的緊張などが挙がった。 中国企業は、EUが経済安全保障と「デリスキング」に重点を置いていることを懸念しており、事業に影響が出ていると回答した割合は約90%に達した。 電気自動車(EV)部門では、6割強*が欧州市場での売上が減少したと報告。80%以上が投資への自信が薄れ、欧州のパートナーとの協力に懸念があると回答した。