夜間も撮影できる小型衛星、打ち上げ成功 スペースXロケット活用
人工衛星を開発するQPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR8号機」アマテル-Ⅳが、17日3時56分(日本時間)に米国カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地の発射場から打ち上げられた。 【関連写真】アンテナを展開したアマテル-Ⅳ スペースX社のロケットのファルコン9「Transporter-11」で予定の軌道に投入され、約2時間後、アマテル-Ⅳとの初交信に成功。衛星の各機器は正常に作動しており、17日の夜に収納型アンテナの展開を実行した。 機器の動作情報、ジャイロなどのセンサー類、アマテル-Ⅳのアンテナの一部を自撮りした衛星の画像を総合的に検討し、アンテナの展開を確認したと18日に発表。衛星の調整を続け、初画像の取得を目指す。 地球観測衛星の多くはカメラ(光学センサー)で地球を撮影している。しかし、光学センサーでは夜間や天候不良時の撮影は不可能で、24時間、どのような天候でも観測できる衛星が求められている。 こうした課題に対しQPS研究所は、天候などに左右されないSAR技術を活用した小型衛星を開発した。SARは、地表に向けてレーダーが電波を発射し、地表の物体から反射された電波の位相(位相差)を計測することで、位相情報を元に画像を生成する技術。 現在、商用3機を運用しており、2027年度には24機、最終的には36機の観測システムを整備。平均10分ごとの準リアルタイム観測データの提供を目指している。
電波新聞社 報道本部