異例の継承、警察当局が注視 会津小鉄会トップに山口組直系 京都府警
指定暴力団会津小鉄会(京都市左京区)のトップを特定抗争指定暴力団山口組直系組長が継承したことに、警察当局が警戒を強めている。 京都府公安委員会は先月28日、会長の変更を公示。山口組直系組長が他の指定暴力団のトップを継承するのは初めてで、府警は同29日までに会津小鉄会ナンバー2を逮捕し、本部事務所を家宅捜索した。 会津小鉄会は京都の老舗組織。最盛期には約1600人の構成員がいたが、昨年末時点で約40人まで減少した。 捜査関係者は今回の継承について「歴史的背景から、友好関係にあった会津小鉄会が衰退する中、山口組が支援する形で成立した」との見方を示す。 暴力団排除に携わる京都弁護士会の和田敦史弁護士は、警察当局が警戒を強めるのは「会津小鉄会が山口組、特に(中核組織の)弘道会と密接に関連しているため」と推測する。今回の継承により、弘道会と対立している団体から会津小鉄会が敵視される可能性が高まるため、「今後活動が活発化すれば、抗争事件の標的になる可能性も否定できない」と説明。一般市民が巻き込まれる可能性を懸念した。 山口組は「警戒区域」と呼ばれるエリア内での組事務所の使用や相手の組員へのつきまとい、組員5人以上で集まることなどが制限されている。和田弁護士は、特定抗争指定暴力団ではない会津小鉄会に深く関与することで「規制を回避する目的も否めない」と指摘した。 府警捜査4課は先月26日、恐喝未遂容疑で同会若頭ら3人を逮捕した。同29日には同会本部事務所を家宅捜索。午前10時15分ごろ捜査員35人が事務所に入り、約45分後、段ボール3箱が運び出された。 同課は「動向を注視し、府民の安全と平穏を確保していく」としている。