みんな大好き?「世代論」で今年の新入社員を見てみると…「1日で辞めた」との声も、「新NISAタイプ」だそうだが
本来なら社会人になる前にさまざまな経験をするはずだった大学生活を、「新型コロナウイルス」によって奪われた2024年の新社会人。だからこそ、今年の新入社員はこれまでとは少し違うという。「セレクト上手な新NISAタイプ」とも例えられたZ世代の彼・彼女らの特徴とは? 【写真】ジュリアナ東京のお立ち台で踊る「バブル世代」 (杉原健治:フリーライター) ■ 「セレクト上手な新NISAタイプ」? 4月に入社したばかりの新社会人が、「1日で辞めた」「1週間で辞めた」といった話題がSNSで注目されている。退職の意思を自分では言い出せず、手続きも進められない人をサポートする「退職代行」なるサービスも登場しており、新社会人の利用も少なくないようだ。 毎年のように新社会人に対しては、その時代背景とともに特徴が語られることが多い。そのひとつが、産労総合研究所が毎年発表している「新入社員のタイプ」だ。これによると2024年の新社会人の特徴は「セレクト上手な新NISAタイプ」らしい。 「ゆとり世代」や「さとり世代」など、世代ごとの特徴を抽出して「○○世代」とレッテルを貼る世代論はいつの時代も注目を集めている。今年の新社会人は世代論的には「Z世代」と括られる。Z世代の中でも特に「セレクト上手な新NISAタイプ」である彼ら・彼女らにはどのような特徴があるのだろうか。
■ 「配属ガチャ」にハズレたら? 産労総合研究所によると、まず「セレクト上手な新NISAタイプ」の特徴を語る上で、切っても切れない関係にあるのが「新型コロナウイルス(COVID-19)」だ。今年の新入社員は高校卒業から大学生活のほとんどをコロナ禍で過ごしている。 高校の卒業式や大学の入学式をオンラインで実施した学校も少なくない。そのため、今年の新入社員はオンラインのツールを駆使するが、同期や先輩などとの繋がりは薄いという。 他方、すでに自分なりの「やりたいこと」を定めている新入社員も多く、入社してみてイメージしていた仕事や社風と違うとギャップを感じる傾向が強まっているそうだ。「配属ガチャ」という言葉もあるが、希望通りの仕事をつけないからという理由で入社早々辞める社員が注目されるのも、そうした背景があるのだろう。 半面、自分の希望や目標と合致すれば、必要な情報を自分で集めるなどして、たくましさや熱意を発揮するケースもあるという。Z世代の特徴としてもしばしば指摘されるが、「タイムパフォーマンス」いわゆる「タイパ」を重視し、何事も最短距離で目的を達成しようとする傾向もあるらしい。 「新NISA」に例えられたのは、今年から新制度の下で資産運用の選択肢が広がったように、新社会人は自分なりに進むべき道を上手に「セレクト(選択)」しようとするからだという。配属ガチャでハズレを引いたからと言って会社をすぐに辞めるのも、アタリを引き当て熱意を発揮するのも、自分自身の選択次第ということか。