「京都」知る人ぞ知る「アジサイの名刹」 5000株の極彩色絶景が美しい“国民的低山”ハイキング「現地レポ」
梅雨の季節は、どうしてもアウトドアに足が向かないという人も多いだろう。特に初心者の人は、上級者に比べて慣れてないがゆえにいっそう億劫に感じるかもしれない。けれど、そんな梅雨だからこそぜひ訪れてほしい低山ハイキングがある。 ■【写真14枚】開山1200年の歴史を誇る古刹の境内をうめつくす「アジサイの絶景」誰もが知る京都の有名スポットにある穴場の寺院(写真をすべて見る) 向かったのは、京都府大山崎町にある天王山(標高270m)。豊臣秀吉と明智光秀による「山崎の戦い」や幕末の「禁門の変」で知られ、合戦にゆかりのある城跡などをめぐるハイキングコースが人気を集めている山である。 合戦の歴史ばかりが注目されがちだが、実はこの天王山には、知る人ぞ知るアジサイの名所「柳谷観音 楊谷寺(やなぎだにかんのん ようこくじ)」が鎮座しているのだ。境内に咲き誇る約5,000株のアジサイが非常に美しく、梅雨のハイキングにうってつけの場所である。 今回は、そんな楊谷寺を含む天王山の低山ハイキングをご紹介する。
■涼しげな川沿いをのんびりハイキング
ハイキングの最寄り駅は、阪急西山天王山駅。京都駅から約30分というアクセスの良い場所だ。 駅の改札を出て左手に行くと、府道79号線が走っている。まずはこの大通りに沿って、山の方に向かって進んでいこう。道路の上にある歩道を歩くのも府道を上から眺められて圧巻だが、川沿いの道もまた気持ちがいい。 府道沿いを山に向かって進めばいいので、迷う心配はない。近所の住民と思われる人たちが、のんびりと散歩している風景はとても心が癒される。 この川は小泉(こいずみ)川といい、とても水が澄んでいて水鳥の姿やカメが甲羅干ししている姿が見られる。知っている人も多いかもしれないが、大山崎には「サントリー山崎蒸溜所」があって、天王山は「天然水の森」と言われている。天王山の清らかな水が、ウイスキーに欠かせない原材料となっているのだ。 河川敷を30分ほど歩いたあとは、登山道(こちらも府道79号線)を進む。整備されていて初心者でも楽に歩けるが、広い道で木陰が少ないので水分補給を忘れずに。時おり走ってくる車にも注意しながら登っていこう。