ハムの“新二刀流”が狙う19年ぶりの偉業 交流戦の秘密兵器…パ投手の打撃事情
ハム・上原は2年連続安打を記録中
5月28日に「日本生命セ・パ交流戦」が開幕した。今季の交流戦も、指名打者制はパ・リーグ球団の主催試合のみに採用される。つまり、セ・リーグ球団主催試合では普段打席に立つことがないパ・リーグ投手陣のバッティングを見ることができる。そこで2024年5月27日時点で今季先発したパ・リーグ6球団の投手を対象に、これまでの打撃成績を調べてみた。 【動画】ハムに新たな“二刀流”登場「センスの塊」 ファン衝撃の技あり先制打 日本ハムの伊藤大海投手は2023年6月17日中日戦で長打でプロ初安打を記録。0-3で迎えた5回、2死一塁の場面、中日・松葉貴大投手の浮いた変化球を振り抜くと、打球は左中間を真っ二つ。自らのバットで反撃の狼煙をあるとチームは逆転勝利。伊藤は本業の投球でも7回3失点で白星を手にしている。 昨年、6月4日の巨人戦に先発した北山亘基投手は1回裏に先制点を許すも、直後の2回2死一、二塁、プロ初打席で初安打初打点となる同点タイムリーを打った。6回にも安打を放ち、4打数2安打2打点。投げるほうも7回3失点で勝利投手になった。 上原健太投手は2018年6月18日の広島戦でマツダスタジアムのライトスタンドへ鮮やかに放り込んだ。2022年は二塁打、昨年も1安打と現在2年連続で安打を記録中だ。そしてバッティングに長けた投手といえば、今季から日本ハムに加入した山崎福也投手だが、その活躍ぶりは本記事の最後に紹介したい。 楽天の早川隆久投手は2023年6月17日、巨人戦に先発し好投&プロ初安打をマーク。6回1失点&3打数1安打の奮闘が実り、僅差の試合を制した。歴代5位の交流戦通算24勝の実績を持つ岸孝之投手の打撃はプロ通算71打数5安打、打率.070も西武時代の2012年のヤクルト戦では2安打したことも。もし今季、安打が出れば楽天移籍後は初安打となる。
西武の今季先発陣はいまだにプロ初安打ナシ
西武では5月27日時点で今季先発した隅田知一郎投手、今井達也投手、高橋光成投手、武内夏暉投手、ボー・タカハシ投手、平良海馬投手、松本航投手、渡邉勇太朗投手、青山美夏人投手のいずれもプロ初安打はない。 ロッテのCC・メルセデス投手は巨人時代に5年間で計15安打を記録。ロッテ1年目の昨季は3打数無安打だった。美馬学投手は楽天時代の2016年の巨人戦で2安打1打点、昨年は中日・柳裕也投手から安打を放っている。また、小島和哉投手、種市篤暉投手は犠打こそ成功させているが、佐々木朗希投手を含めたロッテ先発3本柱は、意外にもまだ安打が出ていない。 オリックスの宮城大弥投手は2021年5月26日、DeNA戦でプロ初打席初安打を放つと、投げても6回3失点で勝利投手に。さらに昨年は完封勝利を挙げた6月4日の中日戦でプロ初打点となる適時打を打ち、投打で話題をさらった。 山下舜平大投手は5回3失点で交流戦初勝利を挙げた昨年6月17日のヤクルト戦で、バットでも貢献。3回に先頭打者で石川雅規投手からプロ初安打となる左前打で出塁すると、プロ初得点も記録した。 ソフトバンクの有原航平投手は昨年6月13日、ヤクルト戦で小川泰弘投手から、NPBでは2017年以来7年ぶりの安打をレフト前へ放った。通算成績16打数1安打の石川柊太投手だが、その1安打は2021年6月4日、甲子園球場で阪神・青柳晃洋投手から打ったものだ。 ヤクルト・石川と並ぶ歴代最多の交流戦通算27勝を挙げている和田毅投手はNPBでの通算打撃成績は47打数4安打、8犠打の打率.085となっている。もし今季安打が出れば2010年以来15年ぶりとなる。