外資コンサル出身者率いる「オーダーメイドAI」企業の戦略
椎橋 徹夫(しいはし・てつお)/1983年生まれ。米国州立テキサス大学物理学/数学二重専攻卒業。帰国後、2008年にボストン・コンサルティンググループ東京オフィスに参画。戦略コンサルティングプロジェクトなどを務める。2014年に東京大学の松尾豊研究室においてデータサイエンス領域の教育や企業連携の仕組み作りなどに従事。2016年にLaboro.AIを創業し、CEOに就任(撮影:今井康一)
オーダーメイドによるAI(人工知能)ソリューションを開発・運用するLaboro.AI(ラボロ エーアイ<5586>)。土木工事における施工計画の最適化や、動画解析分野における人間の感情推定など、幅広い領域でカスタムAIを提供する。同社は2023年7月、東証グロース市場に新規上場した。同社の強みや差別化ポイント、今後の成長戦略などについて、戦略コンサル大手のボストン・コンサルティンググループ出身の創業者・椎橋徹夫CEO(最高経営責任者)に話を聞いた。 ――創業に至った経緯を教えてください。 ボストン・コンサルティンググループでデジタル技術を使って経営課題を解決するテーマに取り組んできた。その中で、技術開発の最先端に身を置かなければという気持ちが強くなった。2014年からは東京大学の松尾豊研究室で、AIやデータサイエンス技術を使った産学連携を推し進める仕事をするようになった。 最終的には大学は論文を出すこと、企業は利益を出すことが目標だ。大学側は重要な成果であればあるほど、論文にしたいと考えるが、逆に企業は外部には公表してほしくないと考える。産学連携には構造的な難しさがあり、アカデミアではない立場から社会にイノベーションを起こしたいと考えるようになり、2016年4月に創業した。
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武山 隼大