EFI、捕鯨母船にリーファーコンテナ。冷凍保管・配送
コンテナと関連機器などを販売するEFインターナショナル(EFI、本社・横浜市、中尾治美社長)はこのほど、共同船舶が旭洋造船で建造した捕鯨母船「関鯨丸」(9299総トン)にサーモキング製リーファーコンテナ「マグナムプラス」(マイナス40度対応)を41本納入した。従来の冷凍の船倉に代わり、鯨肉の冷凍保管設備として運用される。 これにより、捕獲量に合わせて必要本数分だけを運転し消費電力を抑えられる。コンテナごとに温度帯を変えての保管も可能。共同船舶では高級部位の保管用に同じサーモキング製の「スーパーフリーザー」(マイナス70度対応)の採用も検討しているという。 リーファーコンテナの荷役はRORO方式とLOLO方式を組み合わせることで、船内に十分な鯨の加工スペースを確保した。陸揚げ港での荷役効率も向上する。 船倉内の天井クレーンを使ってLOLO方式でシャーシに取り降ろしし、本船と岸壁との間はランプウエーを自走するRORO方式で荷役する。 鯨の加工甲板は船倉内にあり、鯨肉の真空パック・梱包工場も併設されている。加工された鯨の各部位は仕分け・カートン詰め後、リーファーコンテナ内に収納。コンテナのまま陸揚げ、配送する。 「関鯨丸」は73年ぶりに日本で建造された捕鯨母船。日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、商業捕鯨を再開したことを踏まえて計画された。揚鯨能力は70トン。 EFIの中尾社長は「私は戦後のタンパク不足を補うために、鯨肉で育った年代。冷凍設備が少なかったので鯨の刺し身などは貴重なごちそうだった。鯨が増えると食物連鎖が崩れるとも聞く。鯨がわれわれの食卓に戻ってくることを大いに期待したい」とコメントした。
日本海事新聞社