『クロマグロ問題』の『本当の病巣』/ 魚が『ニッポンの海だけ』居なくなる!
大西洋では30kg未満のクロマグロ漁獲禁止。徹底された『大きくなる迄、獲らない』
太平洋で漁獲されるクロマグロの実に94%が3歳未満で、30kg未満の未成魚です。日本でも釣りで30kg未満の採捕は禁止になりました。ただ、この規則が周知しているとは言い難いのが現状ではないでしょうか? 200~300kgのクロマグロが普通に釣れる大西洋では、30kg未満のクロマグロはごく一部の例外を除いて禁止です。このため、成長する機会が与えられてどんどん成長していきます。海の中に大きなクロマグロがたくさんいるので、大物が釣れる確率も当然高くなります。
幼魚でも容赦なく獲って市場に並んでしまう『日本』の現状
一方で、日本の場合は釣りでは30kg未満の採捕を禁止していますが、漁業では約4割(2021年)が30kg未満と、原則採捕を禁止している大西洋と大きく異なっています。また、畜養で生きたまま「いけす」に入れる幼魚がある一方で、メジマグロ・ヨコワなどという名前で、幼魚が売り場に並んでしまうことも大きな違いです。 なぜ太平洋と大西洋ではクロマグロのルールが異なるのか?本来はどうやってクロマグロの漁獲量を漁業や釣りで分けた方がよいのか?をはじめ、クロマグロそして日本の水産資源管理の問題は、とても深く解決しなければならない課題が山積しています。 その情報を共有して、アングラーの皆様に国際的な視点で現実を知っていただき、どうすればよいかについて、日本の魚の未来のために、口コミなどを通じファクトベースで広げていただければ幸いです。こういった問題の根幹をひとつづつ知ることで、『日本の海から魚が居なくなる』未来を回避することができます。
記事のまとめ
・日本の海の周りだけ『魚』が減っている ・魚が減っている理由は単純『大きくなる前にとり過ぎ』。つまり管理の仕組みが甘い ・世界的な枠組みで見れば『クロマグロ』規制を俯瞰して見守る必要がある。 ・クロマグロの規制に関しては、漁獲枠の制限が現在は良い方向に作用しつつある