市場は「壊れている」とアインホーン氏-データはそれを裏付けず
BIがまとめたデータによると、このグループではベンチマークを上回る銘柄の割合が21年に5年ぶりの高水準となる54%まで上昇し、翌年もその水準を維持した。
いわゆる「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手テクノロジー銘柄が上昇を独占した昨年は、その比率は40%に低下した。とはいえ、この比率はまだ過去20年のトレンドの範囲内であり、新たな投資の形を示唆するものではない。
「もしアインホーン氏の言う通り、バリューは崩壊し、基本的にファンダメンタルズ(バリュエーション)はもはや重要ではないのであれば、指数を上回るバリュー銘柄の数は持続的に減少するはずだ」とBIの株式ストラテジスト、クリス・ケーン氏は言う。「しかし、実際にはそうはなっていない。確固たるパターンはなく、行ったり来たりしている」と語った。
(ただ、アインホーン氏は最新の投資家向け書簡で、バリューの定義に従来の指標を使うことに反発している。)
恐らく、バリュー投資の苦境はパッシブ投資というよりも、技術革新の勝者総取りの時代と関係があるのだろう。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のように経済の先行きが不透明であればあるほど、ソフトウエアやインターネット企業のような安定した収益を上げる大型成長株は魅力的な投資先となる。
ビレールのポートフォリオマネジャー、ラマー・ビレール氏によれば、成長株の絶え間ない上昇は指数連動投資によって増幅されたかもしれないが、割安とみられる株にも最終的には光が当たる。
「その時に流行遅れのものを所有している人は、市場が壊れていると主張するだろう」が、「私は市場が壊れているとは思わない」と述べ、バリュー投資家が報われるスピードが以前ほど速くないだけかもしれないと指摘した。
原題:Einhorn Says Markets Are ‘Broken.’ Here’s What Data Shows (1)(抜粋)
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Lu Wang