委任状を偽造、警察手帳を示し…横須賀の駐在所勤務の警官、地域住民から700万円詐取 県警が懲戒免職
県警は10日、勤務する駐在所管内の住民の口座から現金700万円をだまし取ったなどとして、詐欺と有印私文書偽造・同行使の罪で起訴された横須賀署地域課の男性巡査長(36)を懲戒免職とし、その場に立ち会った横須賀南署地域課の男性巡査長(40)を戒告の懲戒処分にしたほか、横須賀署長ら上司6人も厳重注意などの処分とした。 県警監察官室などによると、横須賀署の男性巡査長は昨年5月24日、勤務中に制服姿で横須賀市内の郵便局を訪れ、市内に住む70代男性の通帳に加えて自身が偽造した男性名義の委任状、払戻請求書を提出。男性の口座から現金700万円をだまし取ったという。その際、過去に同じ署で勤務したことがある横須賀南署の男性巡査長も立ち会っており、2人とも警察手帳を提示していた。 県警は昨年11月、詐欺などの疑いで横須賀署の男性巡査長を逮捕。通帳や印鑑は男性の関係者から預かったとみられ、700万円の大半を借金返済に充てたという。 横須賀署の男性巡査長は容疑を認めて、「皆さんに迷惑をかけて申し訳ありません。県警の信頼を失墜させるようなことをしてしまった」と謝罪。横須賀南署の男性巡査長は、任意の調べに「(横須賀署の巡査長から)数日前に立ち会いが必要だから手帳を持ってきてと言われた。おかしいとは思ったけれど、信じて承諾した」との趣旨の話をしているという。県警は共犯性はないと判断し、横須賀南署の男性巡査長の立件は見送った。 また、横須賀署の男性巡査長が昨年3月に拾得物として扱った交通系ICカードを横領した疑いも浮上し、県警は同12月に業務上横領容疑で追送検。不起訴処分となったが、県警はこの事案も含めて処分した。横領したICカードには約2千円がチャージされており、自家用車の給油の支払いに使ったという。
神奈川新聞社