『家いっぱいの愛』ユンサナがチ・ジニに絶縁宣言!? 家族ビラに愛は満ち溢れたのか
登場人物すべてに訪れた家いっぱいの愛
もう1組の親子、テピョンとチヨルにも変化があった。この2人が親子ではなく本当は兄弟だということは物語の序盤で明かされたが、テピョンは兄であるチヨルが父親になり自分を育ててくれたことに、複雑な想いがあったようだ。いつも仏頂面で近寄りがたい雰囲気のあるチヨルに対して、テピョンがうまくコミュニケーションが取れなかったのも無理はないだろう。 ところがムジンとつかみ合いのけんかになったことで「お前がバカにされたんだぞ!黙ってられるか」と憤るチヨルを見て、ほんのり笑みを浮かべるテピョン。この瞬間、チヨルとの間に壁を作ってきたテピョンの心に変化が起きたようだ。チヨルに歩み寄ろうと、2人で酒を飲もうと誘うところはグッとくる。これからは、この2人の間にも愛がいっぱい満ち溢れるだろう。それにしてもチヨルの真意を理解した瞬間の表情を、チェ・ミンホはとても上手く表現していた。 そしてタイで悪い男に騙されたジョンイン(ヤン・ジョア)とムジンの友人・ジェゴル(キム・ヨンジェ)もめでたく恋人同士になった。個人的には、サブカップルとしてもう少しこの2人のエピソードを盛り込んでほしかったという想いはあるが、とりあえずめでたしめでたし、というところだろう。 物語の最後を締めたのは、ムジンとミレだった。ミレに「父さん」と呼びかけられ、びっくりした反応を見せたムジン。「父さんを憎むのがずっとつらかった。幼い頃は父さんが大好きだったから」というミレ。チ・ジニとソン・ナウンが野球場のベンチに座ってこの言葉を交わすシーンを最後に持ってきたのは、この作品を締めるのにぴったりだと感じた。 大好きだった父親と和解してキャッチボールをするミレ。この2人の間にいつまでも愛が満ち溢れていてほしいと願わずにいられない。
咲田真菜