自慢の肉も仕入れ減少 ドライバー不足が表面化 物流を守る試行錯誤 2024年問題・北海道
看板には「マトメル」と書かれています。 (金澤記者)「マトメル旭川では、様々な通販会社や運送会社の荷物をまとめて受け取ることができます」 棚にはおなじみの通販サイトなど各社から届いた荷物が並びます。 物流大手の「セイノー・ホールディングス」が運営し、登録さえすれば各社の荷物を「まとめて」無料で受け取れます。
こちらの利用者は、2つの通販サイトから届いた荷物をまとめて受け取りました。 (利用者)「日中仕事をしているので、帰りにここで受け取った方が楽なのと、1か月くらい預かってもらえるので利用しています」 (セイノーホールディングス 村木範行課長)「例えば、100個の荷物を配達に行ったドライバーはだいたい10個は持ち帰るというデータになっている。我々や物流各社にとってマイナス。そういったところが解消できればいいなと思っています」
運送会社の垣根を超えた「マトメル旭川」は、去年8月に実証実験としてスタートしました。 リピーターも増え、会員数は100人まで伸びました。 荷物を受け取るだけじゃなく、地元の飲食店で人気の杏仁豆腐や、地場の新鮮な野菜セットを限定価格で販売するなど、目指すは「地域に密着した物流拠点」です。
(セイノーホールディングス 村木範行課長)「これから増える荷物の打ち手のひとつとしてこの場所があったらいいと思いますし、ニーズがもしあれば北海道から全国に広げていく、そんな絵も描けたらなと思っています」 地域物流に詳しい北海商科大学・相浦教授によりますと、残業規制による人手不足の影響が大きく出てくるのは、ドライバーの残業時間の調整が始まる9月~10月ごろとみられます。 この時期は農作物の運搬が盛んになることもあり、継続的かつ速やかな物流の効率化が求められるということです。 「物流の2024年問題」、荷物が届くという“当たり前”を維持するため、物流のプロたちの試行錯誤はきょうも続いています。