[山口県]唐戸市場の新鮮魚介で浜焼き体験 下関市、観光魅力アップへ社会実験
下関市が関門海峡沿いのあるかぽーと・唐戸エリアで取り組んでいる観光の魅力向上の一環として、海峡を眺めながらエリア内にある市地方卸売市場唐戸市場で扱っている魚介類をバーベキューで味わう浜焼き体験の社会実験が5日、同市唐戸町の同市場そばで始まった。20日まで続け、ニーズや反響を調査して本格実施の可能性を探る。 カイキョーリボーンプロジェクト社会実験の第3弾「カイキョーソトアソビ2024~あるかぽーとで『ソトアソビ』」として、市と同プロジェクト実行委員会が8月から始めた試みの一つ。同市場ではすしの販売が観光客の人気を集めているが、下関ならではの魚介類のおいしさを浜焼きという新しい角度から楽しむことで滞在時間の向上やスペースの有効活用につなげようと企画した。 「唐戸市場のプロが選ぶ新鮮な魚介類を使った浜焼き体験」というコンセプト。同市場内でそろえたノドグロやマフグの一夜干し、クジラの尾の身、アワビ、サザエなどを海沿いのテーブルに置かれた竹炭コンロで焼いていき、仲間同士で舌鼓を打った。 近くでカフェを経営する近藤麻美さん(42)は職場の女性3人と参加し、「関門海峡のそばで市場の新鮮な食材を屋外で食べられて、気持ちいい」と笑顔。この日の食材を選んだ同市場内に営業所を置く水産卸売業「Minato」の湊浩一社長(59)は「喜んで食べてもらえてうれしい。にぎわいや話題づくりに向けた新たな試みをしていき、5年後、10年後に備えたい」と話した。 浜焼き体験(有料)は6、19、20各日も午前11時と午後5時からの1日2回実施。このうち19、20両日は12日まで申し込みを受け付けており、申込者多数の場合は抽選になる。各回4組限定。同プロジェクト公式ホームページの専用フォームから申し込む。市共創イノベーション課の村上遼主任主事は「最高の食材と最高の景色で、最高の時間を過ごしてほしい」と呼びかけた。 あるかぽーと地区では星野リゾート(長野県軽井沢町)のリゾートホテルが来年秋に開業する。市は昨年2月に「あるかぽーと・唐戸エリアマスタープラン(基本計画)」を策定し、「日本を代表するウォーターフロントシティ」の実現を目指している。