「バリキャリ」はもう古い?スローライフを優先する「カタツムリ女子」が急増の理由
自立して働き、更にはキラキラ人生を楽しむことも欠かさないバリキャリの人に眩しさを感じることはない? フェミニズムの象徴として、一時は一世風靡したそのようなカルチャーは、どうやら英語圏では衰退の傾向にある様子。そして、新たに始まったのは「Snail girl era (スネイル・ガール・エラ / カタツムリガールの時代)」。今、人々はハッスル文化よりも、幸せを求めるスローライフを優先する傾向になっているという。
カタツムリガールの時代とは?
「カタツムリガールの時代」という言葉は、オーストラリア人デザイナーのシエナ・ルドビーが『Fashion Journal』誌に寄せた記事「“Snail girl era”: Why I’m slowing down and choosing to be happy rather than busy (カタツムリガール時代: 私がスローダウンし、忙しさよりも幸せであることを選ぶ理由)」の中で使った造語だ。 カタツムリガールを、簡単に要約すると、“ゆっくり、のんびりと、自分のキャリア目標を制限の範囲内に設定し、がむしゃらに働くのではなく、ワーク・ライフ・バランスを取る労働者”といったところ。そのモデルは、そう、カタツムリだ。 デザイナーとして、また手作りのバッグやアクセサリーを販売するショップの創業者として多忙を極める彼女は、記事の中で、“私の中のガールボスは死に、カタツムリガールの時代が始まった”と記している。 彼女の話す、ガールボスとは、女性の社会進出を謳い、自立して成功を追いかけている様子を“演出して”、他人を搾取する女性のことを指す。元々は、ソフィア・アモルーソが2014年に発表した自伝的小説「#GIRLBOSS(ガールボス) 万引きやゴミあさりをしていたギャルがたった8年で100億円企業を作り上げた話」から生まれた言葉で、一時はフェミニズムの象徴として英語圏のネットカルチャーの文脈で注目を集めた。#Me tooムーブメントの追い風を受けて一時はかなりもてはやされるも、その実情が明らかになる現在は衰退しつつあるという。 ルドビーは、自身が“ガールボス ”だったことを認め、更には「成功していると思われなければならない」「アポがいっぱいで忙しそうに見せなければらならない」というプレッシャーを常に感じていたと説明。しかし、パンデミック以降、彼女は目的を持った人生が必ずしも成功に結びつかないことに気づき始めたんだとか。