野田元首相が立憲民主党新代表に選出:総裁選後の自民党との対立軸は経済政策よりも政治改革か
金融政策の正常化と財政規律重視の姿勢
野田新代表は、金融政策と財政政策について、「金利が低い状況は政府にとって借金がしやすく、最近は野放図に借金している傾向がある。日銀と政府がどういう目標で金融や財政政策をしていくか、共同声明=アコードをもう1回見直すところから始めないといけない」と述べている。この発言は、財政規律を維持し、財政健全化を進める観点から、金融政策の正常化を進めていくべき、との考えを示しているのだろう。金融政策の正常化を支持する考えは、自民党総裁選の候補者の中で、高市氏を除く8人の候補者と共通している。また、財政規律重視の姿勢は、石破氏、河野氏と共通している。 9月27日に開票される自民党総裁選で誰が新総裁に選ばれるかにもよるだろうが、野田新代表が率いる立憲民主党と自民党との間では、経済政策を巡る対立はそれほど激しくはならないのではないか。両党間の今後の国会、あるいは衆院選挙での最大の争点は、「政治とカネの問題」への対応が中心となるのではないか。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英