令和に金田のバイクブーム到来か。タイから量産を目指したオマージュEV登場
漫画『 AKIRA』シリーズや同名のアニメ映画で登場した金田のバイクは、作品の舞台だった2019年を過ぎ、2024年となった現在でも見る者を魅了してやまない一台だ。40年以上に渡って”未来のバイク”のイメージを牽引し続け、エンタメ業界はもちろん、ビッグスクーターというジャンルが確立するきっかけのひとつとなったり、実車化に取り組むフォロワーが後を絶たない等、バイク業界での影響度も計り知れない。 【画像】“金田のバイク”の遺伝子を受け継ぐモデルをギャラリーで見る(4枚) 文/Webikeプラス 石川順一
実用性十分な量産前提のコンセプトバイク「K-1988」
そんな金田のバイクの魅力は遠く、微笑みの国タイまで届いていた。なんと2024年度のバンコク国際モーターショーで、注目すべき電動バイクが発表されていたのだ。それが、現地の電動バイクメーカー、スマーテック・モーターが発表した量産前提のコンセプトモデル「K-1988」。鮮やかな赤ではなく、白い外装に覆われてこそいるが、低いシートにフォワードコントロールなライディングポジション、地を這うように構えたローアンドロングなスタイリングは、金田のバイクを彷彿とさせる。 もっとも同社がオマージュというだけあって、よくよく見ると違いは多い。2024年現在唯一の”公認”金田のバイクといえる、2004年に株式会社BSUが制作した実車モデルと比べれば一目瞭然で、タイヤサイズは小さめだし、シートにしても上半身を預けられるほどの大きさはない。ホイールベースの短さや最低地上高の高さに至っては、より普通のスクーターに近い、実用的なラインだ。特徴的なフロント周りもテレスコピックフォークではなく、片持ちのスイングアームを介したハブセンター・ステアリングを採用。量産を目指しているというだけあって、現実的なアレンジがなされているのだ。 ちなみに採用されているモーターの定格出力は15kWで、最高速度140 km/h、1充電の航続可能距離は199.5 kmと実用性を確保。バッテリーのフル充電にしても 2時間と、必要十分なスペックを謳っている。ABSとトラクション コントロールを標準搭載する予定だということも、市販をしっかりと見据えているように感じる。日本に導入されるとしたら、普通自動二輪免許で乗れるというのもうれしいポイントだ。