生え抜き社員から初めての運転士誕生 福井県のハピラインふくい 国家試験合格、2月運転士デビュー
ハピラインふくい(福井県福井市)の社員2人が運転士の国家試験に合格、2月下旬ごろ運転士デビューすることが決まった。昨年3月16日の開業以降、JRからの出向社員が列車を運転しており、プロパー(生え抜き)社員からの運転士誕生は初。2人は「独り立ちするまでにもっと技術を高め、早く一人前の運転士になりたい」と意欲を見せている。 2人は2021年入社の加藤輝(ひかる)さん(27)=福井県鯖江市=と22年入社の田辺侑暉さん(25)=同。ともに運転士にあこがれを抱いていたといい、田辺さんは「子どもの頃の夢をかなえたいと思ってハピラインの運転士を志した」と話す。 2人は入社後、駅員の業務に従事。開業後の昨年5月から運転士の国家資格となる「甲種電気車運転免許」の勉強を始めた。資格を得るには筆記試験と技能試験に合格する必要があり、筆記については大阪府内にあるJR西日本の運転士の養成所で約3カ月間講習を受けた。電車の構造や法令などを学び、養成所での試験に合格した。 その後12月の技能試験に向け、JRの出向社員の指導を受けながらハピラインの車両を使い、運転技能の訓練に取り組んだ。2人とも最も苦労したのはブレーキ操作だといい、田辺さんは「自動車に比べて停止するのに時間がかかる。駅の停止目標にぴったりと止めるのは簡単ではない。乗客数や天候によってもブレーキの効き具合は変わるため、その感覚をたたき込んでいくのが大変だった」と振り返る。 技能試験は12月2、3日の両日、ハピラインの車両を使って行われ、運転技術のほかに車両故障時や事故が起きた際の対応のチェックも受けた。 ハピラインは車掌のいないワンマン列車が多く、乗客の様子に気を配りながら運転する必要がある。朝夕の通勤・通学の時間帯には、利用客が乗り降りしたかどうかの確認に気を遣うことになる。