トラック運転手に電気技師、配管工まで…米Z世代を魅了する、ブルーカラー・インフルエンサーとは?
アメリカでは、ブルーカラーの仕事を選ぶ人が増えており、特にZ世代の間で関心が高いという。ソーシャルメディアには、自分の仕事の様子を見せたりアドバイスをしたりするインフルエンサーも登場。肉体労働を中心とするブルーカラーの魅力を伝え、人気となっている。 【画像・動画】トラック運転手に電気技師、配管工まで…米Z世代を魅了する、ブルーカラー・インフルエンサー
職業訓練大人気! 高給&安定が魅力
フォーブス誌は、アメリカでは高校を出ると、夢の仕事を確保し人並みの生活をするために、大学で学位を取得するよう奨励されてきたと述べる。学校も親もメディアも、誰もが高等教育の重要性を強調してきた。4年制大学の学位は、長らく格、教養、プライドの象徴ともされてきたが、この考えは変わりつつあるという。 特にZ世代は、金銭的に報われて、安定して長く働けるブルーカラーの仕事にひかれているという。フォックス・ビジネスは、大学教育の高コスト化や、人工知能が特定のホワイトカラーの仕事にもたらす脅威も、ブルーカラー職人気につながっているとしている。 全米大学情報センター(National Student Clearinghouse)の2024年春の報告書によれば、職業訓練にフォーカスした2年制カレッジへの2023年の入学者は前年から16%増加している。 デトロイトのラジオ局WWJによれば、いわゆる職人系の仕事では、引退する人が増えるのに次の担い手が少ない。そのため需要が高く、年収20万ドル(約3200万円)の配管工や電気技師に出会うこともざらだという。
仕事や日常を発信 インフルエンサーに注目!
ブルーカラー職への人気が高まる中、注目を浴びているのが、実際にそうした仕事に就いているインフルエンサーたちだ。#bluecollarなどで検索すると、さまざまな投稿を見ることができる。 その中の1人が、 “Alex the Trucking Guy(トラック野郎のアレックス)”の名で知られる24歳の男性だ。トラック運転手として全米を駆け回り、その日常を複数のソーシャルメディアに投稿。トータルで150万人以上のフォロワーを持つ。 親の希望もあり、アレックスさんは短大に通い学位取得を目指したが、自分はオフィス勤務向きではないと気付き退学。しばらく工場勤務などをした後、コロナのパンデミックをきっかけにトラックドライバーに転身した。 トラックの仕事は自由で給料も良く、家賃も不要。ソーシャルメディアからの収入もあり、信じられない成功だとフォックス・ビジネスに話している。家族持ちならばつらいかもしれないが、20代前半の人には素晴らしいチャンスだとしている。
フォロワー220万人! 女性インフルエンサーも大人気
電気技師のレキシー・アブルーさんも、女性インフルエンサーとして注目を浴びている。電気技師一家に育ったというアブルーさんは、2022年から仕事の様子などをTikTokに投稿。現在では220万人のフォロワーを持ち、彼女の影響で新たなキャリアを目指したいという人も増えている。 米ABCニュースによれば、アブルーさんはソーシャルメディアから年間20万ドル(約3200万円)の収入を得ているが、電気技師として毎日働いているそうだ。 ほかにも、配管工、石油採掘作業員、溶接工、建設作業員など、男女問わず様々なインフルエンサーがソーシャルメディアを賑わせており、ブルーカラー職人気の拡大に貢献中だ。
文:山川真智子