英国から長野県東筑摩郡筑北村移住の夫妻が古民家改装、ゲストハウス準備
長野県東筑摩郡筑北村西条に一昨年英国から移住したベンジャミン・コイトさん(60)、有美さん(59)夫妻が、同村東条岩戸の古民家を活用し、カフェ併設のゲストハウスをオープンしようと改装作業に励んでいる。夫妻は県内を巡り歩いてようやく出合った古民家を、多くの人が気軽に集える拠点に育てたいと夢を膨らませる。 「溜り屋(たまりや)」の屋号で呼ばれた築約160年の木造2階建ての古民家になる。かつて養蚕やみそ・しょうゆの醸造が行われたといい、見事な曲がり梁(はり)や要人を泊める部屋がある。 夫妻は、北アルプスを望める2階西側に窓を増やしたり1~2階を吹き抜け構造にしたりと大胆な改装を計画し、可能な範囲で自分たちも作業をしている。10月下旬には1階の一部にカフェを設け、来年4月を目標に2階も使って最大7組が宿泊できるゲストハウスをオープンする。バリアフリーでペット同伴も可能とする。 ベンジャミンさんが世界的なニュースチャンネル・CNNの報道カメラマンだったため、夫妻は約30年間、欧米各国で生活してきた。4年ほど前に退職し、第二の人生を有美さんのふるさとである日本で暮らそうと決意。首都圏と、母親が暮らす中京圏との間にある信州を拠点と定め、昨年3月に岩戸の古民家と出合った。 夫妻は、JR篠ノ井線や長野道が通る村の交通の利便性と豊かな自然環境に将来性を感じている。ベンジャミンさんは「昔ながらの暮らしの楽しさを伝えられる場をつくりたい」と語り、有美さんは「拠点でハイキングやスポーツ、伝統工芸など多彩な趣味を楽しく共有できれば」と願う。
市民タイムス