不治の病の妻を殺害、夫に無罪判決 フランス
【AFP=時事】フランスの裁判所は30日、治癒不可能な病気の妻を殺害したベルナール・パロ(Bernard Pallot)被告(78)に無罪判決を下した。被告は、妻の要請に応じて死ぬのを手助けしたと主張していた。 【写真】安楽死カプセル、年内にも初の実用へ スイス 検察側は元工学教師の被告が2021年10月、妻のスザンヌ・パロ(Suzanne Pallot)さんの太ももにシアン化物を注射して殺害を試みたが、それがうまくいかずに電気ケーブルで絞殺したとして、禁錮8年を求刑していた。 フランス議会は今年、尊厳死法案について審議したが、重病患者が他者の助けを得て行う安楽死は違法だ。 判決後、北部トロワ(Troyes)で会見した被告は「今回の裁判は現行法が不十分なことを示している。法律を絶対に変える必要がある」と述べた。 被告は捜査官に対し、妻を「苦しませない」ために殺害した供述していた。またシアン化物が効かなかったために電気ケーブルを使用したことについて「方法としては野蛮に思えるかもしれないが、他に選択肢がなかった」と述べた。 警察が遺体の近くで発見したメモには「私、スザンヌ・パロは正気であるうちに、夫のベルナール・パロに対し、耐えがたい不治の苦しみから解放してくれるよう求める」と書かれていた。 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は今年3月、「人道的に受け入れ難い状況がある」として、フランスには終末期に関する法律が必要だと述べた。【翻訳編集】 AFPBB News